若ハゲの原因と正しい対策法まとめ
- 【記事監修】
金井 伸一(毛髪診断士)
AGAの悩み解消につながる情報をお届けします!
ハゲは中年だけの悩みではなく、早い人は20代で発症します。いわゆる若ハゲです。
若ハゲの人がやってしまいがちな間違った対策が、テレビCM等でみた「シャンプー」「育毛トニック」「育毛剤」を使った対策です。これらはあくまでも「薄毛予防」の対策であり、すでにハゲてしまっている人にとっては間違った対策です。
ハゲの原因はAGA(男性型脱毛症)です。ではどんな対策が正しいのか?結論から言えば、「薬を使った治療」です。AGAに効果が認められているのはAGA治療薬のみで、他の対策は効果がありません。
治療と聞くと大がかりなイメージを持つ人もいますが、治療費は月3,400円~から受けられ、1日1回薬を飲むだけです。
また、薬によるAGA治療が若ハゲの人から人気の理由として以下の2つがあります。
- 自毛を増やすことが出来る(カツラや増毛に抵抗がある人にもおすすめ)
- 年齢が若い人ほど治療の効果が高い
しかし、AGA治療薬には「性欲減退」「ED」といった副作用も報告されており、治療を受ける際には事前にメリットデメリットを理解しておくことが大切です。
以上の点を踏まえ、AGA治療が最善の若ハゲ対策である5つの理由について説明します。また、AGA治療の効果を高める8つの対策や薬の副作用についても説明するので、AGA治療の補助としてご活用ください。
若ハゲの原因はAGA(男性型脱毛症)
若ハゲの原因は9割以上がAGA(男性型脱毛症)であることが医学的に証明されています。頭皮環境の悪化や生活習慣による脱毛症もありますが、原因としてはごく僅かです。
AGAは育毛剤などの対策では全く効果がありませんが、治療を受けることで治すことが出来ます。そこで、AGA治療の説明に入る前にまずは、
- AGAって何?
- なぜAGAでハゲるの?
といった疑問についてわかりやすく説明します。
AGAとは
AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略で、男性型脱毛症という意味です。AGAは成人男性にみられる脱毛症で、前頭部や頭頂部の髪が一定のパターンで薄くなっていく特徴があります。日本の薄毛男性は約1,200万人と言われていますが、その原因のほとんどがAGAです。20代では4人に1人、30代では3人に1人以上がAGAの進行を感じているアンケート結果もあります。
AGAは進行性で、治療せずにそのままにしておくと徐々に髪は細く短くなっていき、やがて毛根が閉じて髪が生えなくなります。そのため、発症したら1日も早い治療が必要です。
ヘアサイクルの乱れによりハゲる
人の髪の毛の本数は決まっており、1本の髪の毛は成長期→退行期→休止期を繰り返しています。これをヘアサイクルと言います。AGAではない人の正常なヘアサイクルの周期は2年~6年で1周し、一生のうちに40~50回程度のヘアサイクルを繰り返します。
以下はヘアサイクルについてわかりやすく図にしたものです。
しかし、AGAの人のヘアサイクルは正常な人と比べて大きく違います。
本来髪の毛は成長期間の2年~6年で太く長く成長するのですが、AGAの人はこの成長期間が数ヶ月~1年となります。そのため髪の毛が十分に成長しない内に退行期、休止期と進んで抜けてしまいます。
結果的に、生えている髪は細く短いうぶ毛が多くなって髪全体のボリュームがなくなり、抜ける本数も増えて地肌が透けて見える状態になるのです。
原因はDHT(ジヒドロテストステロン)
なにが原因でヘアサイクルに狂いが生じているのかと言うと、原因は男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)です。
男性ホルモンとは、ヒゲや体毛の成長、男らしい体格や性格を形成する要素です。男性ホルモンは95%をテストステロンが占めています。そのテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結びついて生成されるのがDHTです。
DHTは毛母細胞内の男性ホルモン受容体(レセプター)と結合して、毛母細胞の細胞分裂を抑制(成長をストップ)します。その結果、髪の毛の成長期間が短くなり、ヘアサイクルに狂いが生じるのです。
ちなみにAGAの人でも後頭部は髪がフサフサな理由ですが、これは後頭部の毛乳頭細胞には男性ホルモン受容体(レセプター)がなく、そのためDHTが髪の成長をストップさせることがないためです。
AGA治療が最善の若ハゲ対策である5つの理由
AGA治療は、特に若ハゲの人におススメしたい対策です。仕事を始めたてで経済的に余裕のない人でも月3,400円~から治療を受けられますし、年齢が若い人ほど治療効果が高く、早い時期で効果を実感できる可能性が上がります。
以上の点も含めて、ここではAGA治療が最善の若ハゲ対策である5つの理由について説明します。
最も確実で効果のある対策
AGA治療は、医学的に認められた最も確実で効果のある対策です。
日本皮膚科学科学会が定める「男性型脱毛診療ガイドライン」では、AGA治療に使われる薬「ミノキシジル」と「フィナステリド」のみ最高評価のAランクに位置付けています。評価はA~Dまであり、以下のような意味合いがあります。
- A…行うよう強く勧められる
- B…行うよう勧められる
- C1…行うことを考慮しても良いが、十分な根拠がない
- C2…根拠がないので勧められない
- D…行わないよう勧められる
評価の内容がわかったところで以下の画像をご覧ください。
ミノキシジルの下に記載されている成分は育毛剤などに含まれる成分ですが、いずもC1(行うことを考慮しても良いが、十分な根拠がない)以下の評価になっています。このことから、育毛剤や育毛関連の商品は、医学的に効果が認められていないことになります。
Bの評価を得ている自毛植毛は、AGAの影響を受けない後頭部や側頭部から毛根を採取し、薄毛部分に移植するというものです。しかし、AGA治療を同時並行で行う必要があるため、AGA治療だけで治療できる若ハゲの人にはおススメできません。さらに、施術費は100万円を超えます。
他にも頭皮マッサージやサプリメントなど様々な対策がありますが、効果が認められ推奨されているのは、薬による治療だけということを覚えておいてください。
自毛を増やすことが出来る
AGA治療は自毛を増やすことが出来る大きなメリットがあります。「出来れば自毛でなんとかしたい」と思うのは当然です。
カツラや増毛といったハゲ対策もありますが、それらは人工の髪の毛による対策です。さらに、維持費も最低で年20万円以上はかかってしまい経済的な面で優しくありません。
また、カツラや増毛などは整髪料を使い続けると髪がカチカチに固まることもあるため、おしゃれ好きな人には向いていません。
年齢が若いほど治療効果が高い
薬を使ったAGA治療は幅広い年齢層に対して効果がありますが、年齢が若いほど治療の効果は高くなります。
一方でAGAの進行も若いほど早く、治療を受けずに放置すればみるみるうちにハゲは進行してしまいます。AGAが発症したら1日も早く薬による治療を受けた方が良いということです。
月3,400円~と経済的
AGA治療と聞いて治療費が高そうなイメージを持たれがちですが、月3,400円~と他の薄毛対策と比べて経済的です。
育毛剤は月7,000円以上、育毛サロンは年間100万円以上と高額なのにも関わらず、AGAに対する効果は疑わしいと言わざるを得ません。効果がわからない対策に高い費用を払うよりも、確実に効果があって財布に優しいAGA治療の方がおススメです。
ちなみに、AGA治療にかかる費用は基本的に薬代のみです。ただし、クリニックによって治療費が異なります。以下の表に、業界大手の「AGAスキンクリニック」と、遠隔診療で話題を集めている「AGAヘアクリニック」のフィナステリドの1ヶ月分の費用を載せておきます。費用を見て、治療を受ける際の参考にしてください。
AGAスキンクリニック | AGAヘアクリニック | |
フィナステリド (1ヶ月分) |
初回3,400円 (2回目以降は6,000円) |
5,500円 |
※金額は税別です
AGA治療薬の費用について、以下のリンク先に詳しくまとめていますのでご覧ください。

1日1回薬を飲むだけなので続けやすい
治療は1日1回薬を飲むだけなので、誰でも簡単に続けることができます。以前は月に1回通院する必要がありましたが、最近はスマホを使ったテレビ電話診察を行うクリニックもあり、通院も必要なくなっています。
AGA治療の副作用
AGA治療薬は医薬品である以上、副作用が存在します。フィナステリドはED(勃起不全)などの性に関するもの、ミノキシジルは動悸など心血管に関するものがあります。いずれも発症率はわずかですが、治療をする上で万が一ということもあるためしっかりと覚えておきましょう。
また、ミノキシジルには「初期脱毛」という治療初期に起きやすい副作用があります。こちらも治療を続けるにあたってしっかりと把握しておくことが大切です。
以上の点を踏まえた上で、AGA治療薬の「フィナステリド」と「ミノキシジル」の副作用について説明します。
わずかながらEDやリビドー減退(性欲減退)の副作用がある
治療薬のフィナステリドは、臨床試験において「ED(勃起不全)」(0.7%)や「リビドー減退(性欲減退)」(1.1%)の副作用が確認されています(カッコ内は発症率)。いずれも発症率はわずかですが、このような副作用が存在することは頭に入れておきましょう。
フィナステリドの副作用について詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

また、フィナステリドの成分は男児の生殖器の正常な発達を妨げる可能性があります。飲むのはもちろんですが、薬を触ることでも成分が吸収されるため、妊婦や授乳中の女性が誤って飲んだり触れたりしないように厳重に保管しておきましょう。
発毛薬ミノキシジルの副作用
発毛薬のミノキシジルにも、副作用が存在します。ミノキシジルの主な副作用は以下の通りです。
- 初期脱毛
- 体毛が濃くなる(多毛症)
- 顔や足のむくみ
- 低血圧
- 肝臓(肝機能)への影響
- 動悸
- 立ちくらみ・めまい
「初期脱毛」は治療初期に表れる副作用で、古く成長の止まった髪が新しく生えてきた髪によって押し出されて、脱毛が増えるといったものです。多いときで1日300~500本抜けることがあります。最初は驚かれるかもしれませんが、薬が効いている証拠であるため新しい髪が成長するまでじっと待ちましょう。初期脱毛は1ヶ月ほどで治まります。
また、「動悸」や「立ちくらみ・めまい」などは、ミノキシジルが持つ血管拡張効果(血圧を下げる)が影響して表れることがあります。体が薬に慣れていない飲み始めは稀に起きることがありますが、薬が慣れていけば発症することもなくなります。それでも副作用が起きる場合は、担当の医師に相談しましょう。
ミノキシジルのその他の副作用などや対処法など、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

薬の服用をやめれば副作用もなくなる
薬の服用をやめれば副作用もなくなります。ただし、当然ながら薬の効果も無くなるためAGAは再び進行します。副作用が起きた場合は、治療をやめるか他の方法を試すか医師と相談して決めましょう。
治療効果を高める自分で出来る8つのハゲ対策
薬を飲むだけでも十分な効果はありますが、頭皮環境の改善、食生活やライフスタイルの見直しによって治療の効果をさらに高めることができます。ここでは、治療効果を高める自分でできる8つのハゲ対策を紹介します。
ただし、あくまでもAGA治療は必須で、これから紹介する対策は治療の補助としてお考え下さい。
シャンプー
薄毛対策には頭皮に優しいシャンプー選びをしましょう。皮脂汚れや皮脂詰まりを気にしてついつい洗浄力が高いものを選びたくなりますが、皮脂を除去しすぎてしまうと頭皮が乾燥し、フケや痒みの原因になります。
頭を掻いたりフケが増えて雑菌が溜まりやすくなると、頭皮環境の悪化による脱毛を招くことがあります。
ある程度の皮脂を残し頭皮を清潔に保つのにおススメなシャンプーは「アミノ酸系シャンプー」です。洗浄力が控えめで保湿力に優れ、髪に良い成分が多く含まれています。ただし、安くても値段が3,000円を超えるため、経済的に余裕があれば試すくらいで良いでしょう。
シャンプーの選び方や正しいシャンプーのやり方については以下のリンクをご覧ください。

食事・栄養
体の成長に栄養が必要なのと同じように、髪の毛の成長にも栄養が必要です。髪に必要な栄養素は「タンパク質」「ビタミン」「亜鉛」です。
AGA治療によって栄養が髪の毛に届きやすくなったとしても、そもそも栄養不足では髪の毛は成長しません。独身一人暮らしだとついつい外食が多くなって栄養が偏りがちですが、出来るだけ髪に良い栄養を摂取することを心がけましょう。
髪に良い食事・栄養について詳しくは以下のリンクをご覧ください。

サプリメント
自炊をしていない独身男性の場合、食事からの栄養がついつい偏りがちです。そんな時におすすめなのがサプリメントです。AGA治療を行うクリニックでも治療薬の他にサプリメントを処方しているクリニックもあります。
特におすすめのサプリメントは以下のとおりです。
- 亜鉛
- アミノ酸
- ビタミン
- ノコギリヤシ
- コラーゲン
禁煙
煙草に含まれているニコチンには血管を収縮させる作用があります。血管が収縮され血流が悪くなれば栄養素は運ばれなくなり、髪の毛の成長を阻害する結果になります。また、喫煙は体内のビタミンCを消費します。ビタミンは髪の成長に必要な栄養素ですので、髪の成長を阻害することにつながります。
さらに、ハーバード大学の研究で喫煙者は非喫煙者に比べてAGAの原因物質であるDHTが13%増加するという結果が出ています。「百害あって一利なし」と言われるように、喫煙は薄毛のリスクを高める行為になります。
しかし、禁煙することによるストレスの影響でも血管が収縮し、血行が悪くなります。禁煙を検討する際は、禁煙外来などを利用して無理のない方法でやめることをおススメします。
禁煙による薄毛へのメリットについて詳しくは以下のリンクをご覧ください。

ストレス発散
ストレスは髪と密接な関係にあり、AGAの進行を早めるだけでなくその他の脱毛症を引き起こす要因の1つでもあります。人はストレスを感じると自律神経に影響を与えます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、数時間ごとに切り替わります。
しかし、ストレスを受け続けると交感神経が働き続けて、血管が収縮されたままになってしまいます。 血管が収縮されたままになると、髪の成長に必要な栄養素が届きにくくなります。そのため、AGAと併せて薄毛の進行が早くなってしまうのです。
ストレス発散には銭湯でお湯やサウナに入ったり、マッサージなどをすると良いでしょう。
薄毛によいストレス解消法について詳しくは以下のリンクをご覧ください。

運動
運動は血行を良くする効果があり、ストレス発散にもなるためおススメの対策です。適度な運動は体の基礎代謝を良くすることができ、体に溜まった老廃物の排出もスムーズになります。
また血行を良くするだけでなく血液をサラサラにして、髪に栄養を送りやすくする効果もあります。肥満予防にもなるため健康面でも優れています。運動不足な人は手始めに、軽いウォーキングからはじめてみることをおススメします。
睡眠
睡眠は髪の毛の成長と密接に関わっています。睡眠を取ることで成長ホルモンが分泌されるからです。成長ホルモンは身体のあらゆる部分の成長に関わっており、髪も例外ではありません。成長ホルモンは入眠から3~4時間の間に脳下垂体から分泌されます。つまり、この時間にしっかり熟睡することが髪の成長にとっても大切という事です。
また、睡眠不足は自律神経の乱れやストレスの原因にもなりますので、できるだけ十分な睡眠をとるようにしましょう。
お酒は飲みすぎない
飲酒はストレス解消になり血行を良くする効果もあるため、髪の成長にとっては良い存在のように思えます。適量であれば影響は少ないのですが、過度に摂取すると薄毛の進行を早めてしまうことがあります。
お酒に含まれるアルコールは肝臓で分解され、アセトアルデヒドという有害物質を発生させます。やがて二酸化炭素と水に分解され尿で体外に排出されます。しかし、過剰に摂取してしまうとアセトアルデヒドの分解が間に合わなくなり、体内に残留します。すると、体内に残ったアセトアルデヒドはAGAの原因物質DHTに変化してしまうのです。
しかも、アルコールの分解には大量のアミノ酸やビタミンが消費されます。そうすると髪の成長に必要な栄養素まで奪われてしまい、薄毛の進行を加速させるおそれがあります。
また、毎日お酒を飲むと肝臓に負担がかかるため、週に2日は休肝日を設けましょう。仕事のお付き合いなどで飲酒が避けられないこともありますが、薄毛改善のためにほどほどにしておきましょう。
まとめ
以上、若ハゲ対策について説明をしました。若ハゲの原因はAGA(男性型脱毛症)です。治療と聞くと大げさな気になり、ついついシャンプーや育毛剤といった対策をとってしまいがちですが、AGAを治すにはAGA治療薬以外は効果がありません。
また、薬によるAGA治療が若ハゲの人から人気の理由として以下の2つがあります。
- 自毛を増やすことが出来る(カツラや増毛に抵抗がある人にもおすすめ)
- 年齢が若い人ほど治療の効果が高い
AGAは進行性の病気です。間違った対策を続け、治療を受けなければどんどん薄毛は進行し、早ければ30代でツルツル頭になってしまいます。
費用も月3,400円~から始められますので、一度クリニックに相談をしてみましょう。
金井 伸一
毛髪診断士。「ハゲ活」編集長。25歳で頭頂部から薄くなりあっという間に若ハゲになる。20代30代のほぼ全てをAGA治療に費やす。通院したクリニックの数は10以上。AGA治療に関するお役立ち情報をお届けします。

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