プロペシアとザガーロの違い|効果・副作用・費用を比較【2026年】
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2026年8月11日更新
プロペシアはフィナステリドを有効成分とする先発医薬品、ザガーロはデュタステリドを有効成分とする先発医薬品です。どちらも成人男性のAGAに使われる国内承認の処方箋医薬品ですが、作用する酵素、承認用量、注意点などが異なります。
AGA治療を調べると、「プロペシア」「フィナステリド」「ザガーロ」「デュタステリド」という名前が出てきます。商品名と成分名が混在しているため、違いが分かりにくいかもしれません。
まず押さえたいのは、プロペシアとフィナステリドは別成分の薬ではないということです。プロペシアは商品名、フィナステリドはその有効成分名です。一方、ザガーロの商品名に対応する有効成分はデュタステリドです。
この記事では、プロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)の違いを、2026年8月時点の電子添文と日本皮膚科学会の診療ガイドラインに基づいて比較します。
この記事は一般的な医療情報であり、個別の診断、処方、切り替え、服薬中止を指示するものではありません。どちらを使うかは、持病、併用薬、副作用、妊活、治療経過などを伝えたうえで医師と判断してください。
プロペシア・フィナステリド・ザガーロ・デュタステリドの関係

| 呼び方 | 分類 | 有効成分 |
|---|---|---|
| プロペシア | 先発医薬品の商品名 | フィナステリド |
| フィナステリド錠 | 有効成分名/後発医薬品の名称 | フィナステリド |
| ザガーロ | 先発医薬品の商品名 | デュタステリド |
| デュタステリド錠・カプセル | 有効成分名/後発医薬品の名称 | デュタステリド |
プロペシア錠0.2mg・1mgの現在の製造販売元はオルガノン株式会社です。旧記事にあった「MSD株式会社が販売」という情報は古くなっていたため更新しました。
また、フィナステリドの国内承認後発医薬品は複数あります。「フィナステリド」という言葉だけで海外製品や未承認薬を意味するわけではありません。処方を受ける際は、正式な販売名、国内承認の有無、用量を確認しましょう。
プロペシアとザガーロの違いを比較
| 比較項目 | プロペシア/フィナステリド | ザガーロ/デュタステリド |
|---|---|---|
| 国内承認された対象 | 成人男性の男性型脱毛症 | 成人男性の男性型脱毛症 |
| 有効成分 | フィナステリド | デュタステリド |
| 主な作用 | Ⅱ型5α還元酵素を阻害 | Ⅰ型・Ⅱ型5α還元酵素を阻害 |
| 国内承認用量 | 通常0.2mgを1日1回。必要に応じて増量する場合も1日1mgが上限 | 通常0.1mgを1日1回。必要に応じて0.5mgを1日1回 |
| 効果判定の目安 | 通常6か月 | 通常6か月 |
| 女性への使用 | 適応なし。妊婦・妊娠の可能性がある女性・授乳中の女性は禁忌 | 女性は禁忌 |
| 20歳未満 | 安全性・有効性は確立していない | 安全性・有効性は確立していない |
| 献血までの休薬期間 | 服薬中止後1か月 | 服薬中止後6か月 |
| 剤形の注意 | 分割・粉砕しない | カプセルを噛んだり開けたりしない |
| 主な注意点 | 性機能関連症状、肝機能障害、気分の変化、PSA値への影響など | 性機能不全、肝機能障害・黄疸、PSA値への影響、CYP3A4阻害薬との併用など |
作用する酵素の種類が多いことだけで、デュタステリドがすべての人に適しているとは判断できません。治療歴、副作用、併用薬、費用、妊活や献血の予定まで含めて選ぶ必要があります。
作用の違い:どちらもDHTの生成に関わる酵素を阻害する
AGAでは、男性ホルモンのテストステロンが5α還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)へ変換され、前頭部や頭頂部などの毛包に影響します。
フィナステリドはⅡ型5α還元酵素を阻害します。デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。どちらもDHTの生成を抑えることで、成人男性のAGA治療に用いられます。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、男性型脱毛症に対するフィナステリド内服とデュタステリド内服はいずれも推奨度Aです。
ザガーロのほうが効果は高い?

デュタステリド0.5mgとフィナステリド1mgを比較した臨床試験では、全毛髪数や毛の直径など一部の指標でデュタステリドが上回りました。
ただし、ガイドラインによると、直径60μm以上の硬毛数では有意差がなく、治験担当者による写真評価でも有意差はありませんでした。エキスパートによる写真評価ではデュタステリドが上回ったものの、点数差はわずかであり、ガイドラインは「両者の効果差については今後さらなる検討を要する」としています。
したがって、「ザガーロはプロペシアより必ず効く」「フィナステリドで効果がなければデュタステリドなら必ず生える」とはいえません。
効能の文言だけで「発毛できる・できない」を分けない
フィナステリドの電子添文には「男性における男性型脱毛症の進行遅延」、ザガーロには「男性における男性型脱毛症」と記載されています。
旧記事では、この文言の違いを根拠に「フィナステリドには発毛効果がなく、ザガーロだけに発毛効果がある」と説明していました。しかし、この説明は適切ではありません。
フィナステリドについても、ガイドラインが参照した臨床試験ではプラセボ群と比べて毛髪数の増加が報告されています。一方で、どちらの薬も全員に同じ変化を保証するものではありません。承認された効能の文言だけで優劣を決めず、同じ条件の写真や診察で経過を評価します。
用量と服用期間の違い
プロペシア/フィナステリドの用量
成人男性には通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回服用します。必要に応じて増量できますが、上限は1日1mgです。増量によって効果が強くなることは確認されていません。
3か月の連日投与で効果が現れる場合もありますが、効果確認には通常6か月が必要です。6か月以上服用しても進行遅延が見られない場合は投薬を中止し、継続する場合も定期的な評価が必要とされています。
ザガーロ/デュタステリドの用量
成人男性には通常、デュタステリドとして0.1mgを1日1回服用し、必要に応じて0.5mgを1日1回服用します。
投与開始後12週間で改善が認められる場合もありますが、治療効果の評価には通常6か月が必要です。6か月以上服用しても改善が見られない場合は投薬を中止し、継続時も定期的に必要性を検討します。
どちらも、効果が不十分だからといって自己判断で増量したり、2回分を一度に服用したりしないでください。
副作用の違い

フィナステリドとデュタステリドでは、性機能に関する症状、肝機能障害、乳房の症状など共通する注意点があります。一方、それぞれの電子添文で表現や頻度区分は異なります。
| 項目 | フィナステリド | デュタステリド |
|---|---|---|
| 性機能・生殖関連 | リビドー減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少、男性不妊症・精液の質低下など | リビドー減退、勃起不全、射精障害、精巣痛・精巣腫脹など |
| 肝臓 | 肝機能障害、AST・ALT・γ-GTP上昇など | 肝機能障害、黄疸など |
| 精神・神経 | 抑うつ症状、めまい。自殺念慮・自殺企図等に関する注意 | 頭痛、抑うつ気分、浮動性めまいなど |
| 乳房 | 乳房圧痛、乳房肥大など | 女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感など |
| 過敏症 | そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫など | 発疹、じん麻疹、そう痒症、血管性浮腫など |
別々の試験の数字を並べて副作用リスクを断定しない
旧記事では、プロペシアとザガーロの別々の試験で得られた副作用率を並べ、「ザガーロのほうが副作用リスクが高い」と断定していました。
試験の対象者、人数、観察期間、用量、評価方法が異なる数字は、そのまま優劣の比較には使えません。どちらにも副作用が起こる可能性があり、症状や生活上の優先事項を医師へ伝えて選ぶことが大切です。
電子添文では、両成分とも性機能関連の症状が投与中止後も持続したとの報告が記載されています。気になる変化がある場合は、我慢せず処方医へ相談してください。
フィナステリドは2026年に自殺念慮等の注意が追加
2026年5月改訂のフィナステリド錠の電子添文には、因果関係は明らかではないものの、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されていることが記載されています。
自殺を考える、自分を傷つけたいと感じるなどの変化が現れた場合は、電子添文に従って服用を中止し、速やかに医師等へ連絡してください。うつ病、うつ状態、自殺念慮・自殺企図の既往がある人は、治療開始前に必ず医師へ伝えましょう。
使用できない人・注意が必要な人
女性と20歳未満には使用しない
フィナステリドとデュタステリドは、国内では成人男性のAGAに用いる薬です。女性に対する適応はなく、20歳未満での安全性と有効性も確立していません。
妊娠中の女性が有効成分にさらされると、男子胎児の生殖器官の正常な発育に影響するおそれがあります。フィナステリド錠は分割・粉砕せず、破損した錠剤を妊婦、妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性が扱わないようにします。
デュタステリドは経皮吸収されるため、女性や小児は漏れたカプセルの内容物に触れないでください。触れた場合は、直ちに石けんと水で洗います。
肝機能と併用薬を確認する
どちらの成分も主に肝臓で代謝されます。デュタステリドは、重度の肝機能障害がある人には使用できません。フィナステリドも肝機能障害がある人への臨床試験は実施されていません。
デュタステリドは主にCYP3A4で代謝されます。リトナビルなどCYP3A4阻害作用がある薬と併用すると、血中濃度が上昇する可能性があります。AGA以外の薬、サプリメントを含め、使用中のものを診察時にすべて伝えてください。
PSA検査への影響
フィナステリドとデュタステリドは、前立腺がん検査で測定するPSA値を低下させることがあります。
フィナステリドの電子添文では、男性型脱毛症患者でPSA濃度が約40%低下したと記載されています。デュタステリドについてもPSA値への影響があり、6か月以上服用している場合は測定値を2倍した値を目安に評価する旨が示されています。
PSA検査や健康診断を受けるときは、薬の正式な販売名、成分名、用量、服用期間を医師へ伝えてください。自分で測定値を補正して判断しないようにしましょう。
献血できるまでの期間が異なる
日本赤十字社の案内では、AGA治療薬を服用している人が献血できるまでの期間は次のとおりです。
- フィナステリド、プロペシア、プロスカー等:服薬中止後1か月
- デュタステリド、ザガーロ、アボルブ等:服薬中止後6か月
献血の予定だけを理由に自己判断で薬を中止せず、処方医へ相談してください。献血時は服用していた薬の名前と中止日を申告します。
プロペシアとザガーロの価格差
AGA治療は原則として自由診療のため、薬代、診察料、検査料、送料は医療機関ごとに異なります。また、先発医薬品か国内承認の後発医薬品かによっても費用が変わります。
旧記事に掲載されていた2017年当時の特定クリニックの価格表は、現在の料金比較には使用できないため削除しました。
費用を比較するときは、「薬代だけ」ではなく次の合計を確認してください。
- 処方される薬の正式な販売名・成分・用量
- 1か月分の薬代
- 初診料・再診料
- 血液検査などの検査費
- オンライン診療の手数料・送料
- 定期便の解約条件と最低契約期間
- 副作用時の再診費用と連絡方法
低価格だけで決めず、国内承認薬か、医師の診察と経過観察があるか、総額を事前に確認しましょう。
プロペシアとザガーロは併用できる?
フィナステリドとデュタステリドは、どちらも5α還元酵素を阻害する薬です。自己判断で同時に服用したり、日替わりで使ったりしないでください。
切り替えを検討する場合も、服用期間、効果、副作用、併用薬、肝機能、妊活、献血予定などを医師へ伝え、指示された方法に従います。デュタステリドは半減期が長いため、すぐに体内からなくなるわけではありません。
ミノキシジルとの違い
フィナステリドとデュタステリドは5α還元酵素を阻害する内服薬です。ミノキシジルは作用の仕組みが異なり、日本皮膚科学会のガイドラインでは男性型脱毛症に対する5%ミノキシジル外用も推奨度Aです。
医師が診断や治療目標を踏まえ、フィナステリドまたはデュタステリドと、国内承認のミノキシジル外用薬の併用を検討する場合があります。ただし、すべての人に併用が必要とは限らず、併用すれば必ず発毛するわけでもありません。
ミノキシジル内服薬は国内未承認
AGA治療を目的とするミノキシジル内服薬は国内未承認です。日本皮膚科学会ガイドラインの推奨度はDで、自己判断での使用は勧められていません。
医療機関で未承認薬や国内承認と異なる用法の薬を提案された場合は、薬の名称、成分、国内承認状況、入手経路、期待できる結果、副作用、代替となる承認治療、医薬品副作用被害救済制度の対象になるかを確認してください。
個人輸入ではなく医療機関で相談する

プロペシアとザガーロは処方箋医薬品です。対面診療または適切なオンライン診療で、医師の診察を受けて処方されます。
厚生労働省は、個人輸入された医薬品には国内で品質・有効性・安全性の確認が行われていないものがあり、有害成分、表示と異なる成分、偽造品などの可能性を注意喚起しています。
個人輸入薬による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。製品名だけで「すべて偽物」と断定はできませんが、成分や流通経路が確認できない製品を自己判断で使うことは避け、国内承認薬を扱う医療機関へ相談してください。
どちらを選ぶか医師へ相談するときの確認点
- AGAの診断と進行度
- これまで使った薬、用量、服用期間、効果
- 性機能、気分、肝機能、乳房などの変化
- 持病と服用中の薬・サプリメント
- 妊活や献血の予定
- PSA検査や健康診断の予定
- 国内承認薬か未承認薬か
- 薬代、診察料、検査料、送料を含む総額
- 効果を判定する時期と、改善しない場合の方針
オンライン診療を利用する場合は、頭皮症状や急な脱毛があるときに対面診療へ切り替えられるか、副作用が出たときの連絡先も確認しましょう。
プロペシアとザガーロのよくある質問
プロペシアとフィナステリドは違う薬ですか?
プロペシアは商品名、フィナステリドは有効成分名です。国内承認のフィナステリド後発医薬品もあります。先発薬と後発薬のどちらを処方するかは医療機関で確認してください。
ザガーロとデュタステリドは違う薬ですか?
ザガーロはデュタステリドを有効成分とする先発医薬品の商品名です。国内承認のデュタステリド後発医薬品もあります。
ザガーロのほうが必ず髪が増えますか?
必ず増えるとはいえません。比較試験では一部の指標でデュタステリドが上回りましたが、硬毛数や写真評価の一部では明確な差がなく、ガイドラインは効果差についてさらなる検討が必要としています。
ザガーロのほうが副作用は多いですか?
別々の臨床試験の副作用率を単純に並べて、どちらが必ず多いとは判断できません。どちらにも性機能関連症状や肝機能障害などが記載されています。個人の持病、併用薬、症状を踏まえて医師と選びます。
フィナステリドからデュタステリドへ自分で変更してよいですか?
自己判断で変更しないでください。まずフィナステリドの用量、服用期間、飲み忘れ、診断、効果、副作用を確認し、デュタステリドの禁忌や併用薬も踏まえて医師が判断します。
どちらも6か月飲めば効果が出ますか?
どちらも効果評価には通常6か月が必要ですが、6か月で全員に改善が見られるという意味ではありません。6か月以上服用しても改善や進行遅延が見られない場合は、診断と治療継続の必要性を医師と見直します。
服用中にPSA検査を受けられますか?
受けられますが、薬がPSA値に影響します。検査前に薬の正式名、成分、用量、服用期間を検査担当の医師へ必ず伝えてください。
献血のために今日から薬をやめてもよいですか?
自己判断で中止せず、まず処方医へ相談してください。日本赤十字社の基準では、フィナステリドは中止後1か月、デュタステリドは中止後6か月の期間が必要です。
まとめ
- プロペシアは商品名、フィナステリドは有効成分名
- ザガーロは商品名、デュタステリドは有効成分名
- フィナステリドはⅡ型、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型5α還元酵素を阻害する
- 男性型脱毛症では、どちらも日本皮膚科学会ガイドラインの推奨度A
- 一部の指標でデュタステリドが上回るが、すべての指標で優れるとは確認されていない
- 別々の試験の副作用率を単純比較して優劣を決めない
- どちらも効果評価には通常6か月が必要
- 献血までの期間はフィナステリドが中止後1か月、デュタステリドが中止後6か月
- PSA検査前は服用を医師へ申告する
- 自己判断で併用、増量、切り替えをしない
どちらが適しているかは、薬の作用だけでなく、これまでの治療経過、副作用、持病、併用薬、妊活、献血、費用によって変わります。「強そうな薬」を自己判断で選ぶのではなく、正式な販売名と成分を確認し、医師と治療目標を共有して選びましょう。
この記事で確認した公的資料
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