フィナステリド(プロペシア)の副作用|性機能・肝機能と注意点【2026年】
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2026年8月20日更新
本記事は、プロペシアと有効成分フィナステリドの副作用を、PMDAの現行電子添文、日本皮膚科学会の診療ガイドライン、厚生労働省などの公的資料から整理した医療情報です。特定の製品・クリニック、個人輸入薬の使用を勧めるものではありません。
自分を傷つけたい・死にたいという考え、顔・唇・舌・喉の腫れ、呼吸困難などがある場合は、記事を読み続けず救急要請を含め速やかに医療機関へ相談してください。
プロペシアの有効成分フィナステリドでは、リビドー減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少などの性機能症状だけでなく、肝機能障害、抑うつ症状、乳房症状、アレルギーなども報告されています。
現行の電子添文には、因果関係は明らかではないものの、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂の報告も記載されています。自覚症状だから気にしすぎなくてよい、服用をやめれば必ず治るとはいえません。
この記事では、副作用の種類と臨床試験の発生頻度、服用中止後も症状が続く可能性、妊娠中の女性による取り扱い、PSA検査への影響、副作用が疑われる場合の対処法を2026年8月時点で解説します。
フィナステリドの副作用を先に確認
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 代表的な先発品 | プロペシア錠0.2mg・1mg |
| 有効成分 | フィナステリド |
| 国内承認された効能・効果 | 男性における男性型脱毛症の進行遅延 |
| 国内承認用量 | 通常0.2mgを1日1回。必要に応じて増量できるが1日1mgが上限 |
| 日本皮膚科学会の推奨度 | 男性型脱毛症はA、女性型脱毛症はD |
| 性機能に関する主な副作用 | リビドー減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少など |
| 重大な副作用 | 肝機能障害(頻度不明) |
| そのほかの重要な注意 | 抑うつ症状、自殺念慮等の報告、乳房症状、アレルギー、PSA値への影響など |
| 女性・20歳未満 | 女性には適応がなく、20歳未満で安全性・有効性は確立していない |
国内承認されたフィナステリド後発品にも、プロペシアと同じ有効成分が含まれます。先発品・後発品のどちらでも、電子添文の副作用と注意事項を確認する必要があります。
一方、海外製品、個人輸入品、クリニックの院内製剤は、フィナステリドと書かれているだけで国内承認品とは判断できません。商品名、製造販売元、用量、承認番号を確認してください。
ED・性欲減退が起きる確率
プロペシアの電子添文は、24~50歳の男性型脱毛症患者を対象にした国内臨床試験の結果を掲載しています。0.2mg・1mg投与群276人で確認された主な症状は次のとおりです。
| 症状 | フィナステリド投与群 |
|---|---|
| リビドー減退 | 1.1%(3人/276人) |
| 勃起機能不全 | 0.7%(2人/276人) |
同じ試験の性機能に関する副作用は、0.2mg群で1.5%、1mg群で2.9%、プラセボ群で2.2%でした。
ただし、この数値を自分にEDが起きる確率としてそのまま使うことはできません。試験の対象年齢、健康状態、観察期間と、実際に服用する人の条件は異なります。市販後に確認された症状には、発生頻度が分からないものもあります。
また、0.7%・1.1%という数値だけを取り出して、影響はほとんどない、安全と表現するのは不適切です。症状が起きた本人にとっては生活や妊活に関わる問題であり、頻度が低く見えても軽視できません。
性機能・生殖器に関する副作用
現行の電子添文には、次の症状が掲載されています。
- リビドー減退
- 勃起機能不全
- 射精障害
- 精液量減少
- 睾丸痛
- 血精液症
- 男性不妊症・精液の質低下
精液の質低下には、精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常などが含まれます。電子添文には、投与中止後に精液の質が正常化または改善したとの報告もあります。
妊活中、不妊治療中、精液検査で異常を指摘された人は、服用開始前にAGAの処方医と生殖医療の担当医へ伝えてください。旧記事のように、服用中に子どもを授かった一人の体験だけを根拠に、誰の妊活にも影響しないとは判断できません。
服用中止後も続いたとの報告がある
電子添文は、リビドー減退、勃起機能不全、射精障害について、投与中止後も持続したとの市販後報告があると記載しています。
そのため、薬をやめれば効果と副作用がすぐになくなる、必ず元に戻るとはいえません。症状を感じたら、自己判断で放置したり別のAGA薬へ変更したりせず、処方医へ相談してください。
ポストフィナステリド症候群という言葉について
インターネットでは、服用中止後も性機能・精神・身体症状が続く状態をポストフィナステリド症候群と呼ぶことがあります。
一方、症状の原因、診断基準、発生頻度、治療法には不明な点があります。すべての症状をこの名称で自己診断するのではなく、症状、服用期間、中止時期、ほかの病気・薬を医師へ伝えて評価を受けてください。電子添文に中止後も続いたとの報告があることと、個々の症状の原因が必ずフィナステリドであることは同じではありません。
肝機能障害
プロペシアの電子添文では、肝機能障害が頻度不明の重大な副作用として記載されています。AST、ALT、γ-GTPの上昇も報告されています。
次の症状がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
- 強いだるさ
- 食欲低下、吐き気
- 発熱、発疹、かゆみ
- 皮膚や白目が黄色くなる
- 尿の色が濃くなる
フィナステリドは主に肝臓で代謝されます。肝機能障害がある人を対象にした臨床試験は実施されていないため、肝臓の病気、過去の検査異常、使用中の薬・サプリメント、飲酒習慣を処方前に伝えてください。
血液検査が正常でも、その後に副作用が起きない保証にはなりません。検査項目、実施頻度、異常値が出た場合の対応を処方医へ確認してください。
抑うつ症状・自殺念慮等の注意
現行の電子添文には抑うつ症状が掲載されています。また、フィナステリドとの因果関係は明らかではないものの、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されていると記載されています。
うつ病・うつ状態、自殺念慮・自殺企図の既往がある人についても注意が追加されています。治療前に該当する病歴を伝え、本人だけでなく家族など身近な人が気分・行動の変化に気づいた場合も相談してください。
注意する変化には、次のようなものがあります。
- 気分の落ち込み、不安が続く
- 今まで楽しめたことに興味がなくなる
- 眠れない、または寝すぎる
- 集中できない、日常生活に支障が出る
- 自分を傷つけたい、死にたいと考える
自殺念慮・自殺企図が現れた場合は服用を中止し、速やかに医師等へ連絡するよう電子添文は案内しています。差し迫った危険がある場合は119番へ連絡してください。
乳房症状・アレルギーなどの副作用
乳房の圧痛・肥大
乳房圧痛、乳房肥大が報告されています。乳房のしこり、痛み、腫れ、乳頭からの分泌などがある場合は、自己判断で様子を見続けず診察を受けてください。
発疹・じんましん・血管浮腫
かゆみ、じんましん、発疹のほか、唇・舌・喉・顔の腫れを含む血管浮腫が掲載されています。呼吸しにくい、喉が詰まる感じがある場合は緊急性があります。救急要請を含め、速やかに医療機関へ相談してください。
睾丸痛・血精液症・めまい
睾丸痛、血精液症、めまいなども報告されています。別の病気でも起こり得る症状なので、フィナステリドの副作用と決めつけず診察を受けてください。
女性・子どもの服用と取り扱い
プロペシアは女性・子どもに適応がありません。電子添文では、妊婦、妊娠している可能性がある女性、授乳中の女性への投与は禁忌です。
特に、妊婦、妊娠している可能性がある女性、授乳中の女性は、粉砕・破損した錠剤を取り扱わないでください。妊娠中の女性が有効成分へ曝露すると、男子胎児の生殖器官等の正常発育へ影響するおそれがあります。
ただし、プロペシア錠はコーティングされているため、割れたり砕けたりしていなければ、通常の取り扱いで有効成分に接触することはないと電子添文は説明しています。女性は包装にも一切触れてはいけないと過度に一般化するのではなく、錠剤を分割・粉砕しない、子どもの手の届かない場所に保管することが重要です。
PSA検査・前立腺がん検診への影響
フィナステリドは血清PSA値を低下させます。電子添文では、国内臨床試験で40歳以上の患者に投与した場合、投与前と比べて約40%低下したとされています。
AGA目的の服用でも、前立腺がん検診、PSA検査、泌尿器科の診察を受けるときは必ず申告してください。検査値が基準範囲内だから問題ないと自己判断しないでください。
副作用はいつから・いつまで続く?
副作用が現れる時期は症状・個人によって異なり、服用開始から何日目なら安全と決めることはできません。長く問題なく服用していることも、今後の副作用が起きない保証にはなりません。
服用中止後に症状が改善する場合はありますが、性機能症状が投与中止後も持続したとの報告もあります。フィナステリドの作用時間だけから、副作用が消える日時を計算することはできません。
症状が出た場合は、次の情報を記録して処方医へ伝えてください。
- 症状が始まった日時と変化
- 薬の商品名、用量、服用開始日、最終服用日
- 飲み忘れ、増量、ほかのAGA薬の追加
- 処方薬、市販薬、サプリメント
- 飲酒、体調不良、睡眠、強いストレスなどの変化
ミノキシジルと併用するときの注意
男性AGAで、フィナステリドと国内承認されたミノキシジル外用薬を併用する場合はあります。しかし、併用すれば必ず高い発毛効果が得られる、副作用が増えないとはいえません。
フィナステリドとミノキシジルでは、副作用の種類が異なります。複数の薬を同時に始めると、症状がどの薬によるものか判断しにくくなることもあります。開始時期、商品名、濃度、用量を記録してください。
内服ミノキシジルは、日本でAGA治療薬として承認されていません。フィナステリドとセットでクリニックから処方される場合も、国内承認薬になるわけではありません。日本皮膚科学会の推奨度はDです。
AGA治療薬全体の注意はAGA治療薬の副作用と対処法、ミノキシジルについてはミノキシジルの副作用で確認できます。
国内承認後発品と個人輸入品の違い
国内承認された後発品
国内承認されたフィナステリド後発品は、先発品プロペシアと同じ有効成分を含みます。後発品だから副作用がない、先発品より弱いとはいえません。
添加物や錠剤の形状は製品ごとに異なる場合があります。処方された商品名・製造販売元を確認し、電子添文を読んでください。
海外製品・個人輸入品
海外で販売されているフィナステリド製品や、個人輸入代行サイトから購入した製品は、日本でAGA治療薬として承認された製品とは限りません。
個人輸入品には、偽造品、表示と異なる成分量、不適切な保管、健康被害時に成分を確認できない問題があります。厚生労働省は、インターネットで入手した未承認のフィナステリド製品を使用した人の健康被害情報も公表しています。
安い、海外正規品、成分が同じという表示だけで選ばず、国内の医療機関・薬局で承認製品について相談してください。
副作用被害救済制度の対象
PMDAの医薬品副作用被害救済制度は、製造販売の承認・許可を受けた医薬品を適正に使用した場合の健康被害を基本的な給付対象としています。個人輸入した未承認薬や、国内未承認の院内製剤による健康被害は対象外です。
国内承認薬でも、すべての健康被害が自動的に給付対象となるわけではありません。個別に適正使用、症状の程度、因果関係などが判断されます。
副作用が疑われる場合の対処法
緊急対応が必要な症状
- 自分を傷つけたい、死にたいという考えがある
- 顔、唇、舌、喉が腫れ、呼吸しにくい
- 意識がもうろうとする、急速に症状が悪化する
これらは次回診察まで様子を見る症状ではありません。119番への連絡を含め、速やかに医療機関へ相談してください。
早めに処方医へ相談する症状
- 性欲、勃起、射精、精液量の変化
- 気分の落ち込み、不安、睡眠の変化
- 乳房の痛み、腫れ、しこり、分泌
- 睾丸痛、血精液症
- だるさ、食欲低下、吐き気、濃い尿、黄疸
- 発疹、じんましん、かゆみ
フィナステリドを自己判断で増減量する、隔日にする、別の薬へ替える、飲み忘れ分をまとめて飲むことは避けてください。緊急症状は救急対応を優先し、それ以外も処方医・薬剤師の指示を確認します。
服用開始前に確認したいこと
- 処方される製品名、製造販売元、用量、国内承認の有無
- 肝臓の病気、過去の肝機能検査異常
- うつ病・うつ状態、自殺念慮・自殺企図の既往
- 妊活、不妊治療、精液検査の予定
- PSA検査、前立腺がん検診の予定
- 献血の予定
- 現在使用している処方薬、市販薬、サプリメント
- 副作用が疑われたときの連絡先と診察方法
電子添文に併用禁忌として掲載されていない薬でも、併用して問題ないと自己判断しないでください。ほかの診療科や薬局にもフィナステリドを服用していることを伝えてください。
よくある質問
プロペシアでEDになる確率は0.7%ですか?
国内臨床試験の0.2mg・1mg投与群276人では、勃起機能不全が0.7%でした。ただし、試験結果は個人に起きる確率をそのまま示すものではありません。市販後には頻度不明の症状も報告されています。
性欲減退やEDは気にしすぎが原因ですか?
心理的な要因だけと決めつけることはできません。リビドー減退と勃起機能不全は電子添文に掲載された副作用です。症状があれば処方医へ相談してください。
服用をやめれば副作用は治りますか?
改善する場合はありますが、必ず治る、すぐ消えるとはいえません。電子添文には、性機能症状が投与中止後も持続したとの報告があります。
プロペシアは子作りに影響しますか?
電子添文には、男性不妊症や精液の質低下が報告されています。一方、精液中へのフィナステリド移行量は極めて微量とする外国人データも掲載されています。個人の妊娠可能性を保証する資料ではないため、妊活・不妊治療中は担当医へ相談してください。
妊娠中の女性は錠剤に触れてはいけませんか?
粉砕・破損した錠剤を取り扱わないでください。錠剤はコーティングされており、割れたり砕けたりしていなければ、通常の取り扱いで有効成分に接触することはないと電子添文は説明しています。
フィナステリド後発品なら副作用は少ないですか?
後発品だから副作用が少ないとはいえません。国内承認後発品はプロペシアと同じ有効成分フィナステリドを含みます。製品ごとの電子添文を確認してください。
お酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
飲酒が電子添文の併用禁忌として一律に記載されているわけではありませんが、肝機能障害は重大な副作用です。飲酒量、肝機能、ほかの薬によって判断が異なるため、処方医・薬剤師へ相談してください。飲み忘れや飲酒を理由に用量・時間を自己調整しないでください。
服用中でも献血できますか?
フィナステリド服用中と服用中止後の一定期間は献血できません。自己判断で献血せず、商品名と最終服用日を献血会場で申告し、日本赤十字社の最新基準を確認してください。
まとめ|0.7%だけで安全と判断しない
フィナステリドの国内臨床試験では、リビドー減退1.1%、勃起機能不全0.7%が報告されました。しかし、この数字だけで影響はほとんどない、安全とはいえません。
現行の電子添文には、射精障害、精液量減少、男性不妊症・精液の質低下、肝機能障害、抑うつ症状、乳房症状、アレルギーなども掲載されています。性機能症状が中止後も続いたとの報告や、因果関係は明らかではないものの自殺念慮等の報告もあります。
治療前に、製品名・用量・国内承認の有無・持病・妊活・PSA検査・異常時の連絡方法を確認し、症状がある場合は自己判断で調整せず医師・薬剤師へ相談してください。
参考資料
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