ザガーロとプロペシアの違い|効果・副作用・ジェネリック【2026年】

SHARE

ザガーロとプロペシアの効果・副作用・注意点の違い

2026年8月14日更新

ザガーロとプロペシアは、どちらも日本で男性型脱毛症(AGA)に承認されている処方箋医薬品です。効果や副作用には個人差があり、どちらか一方がすべての人に優れているわけではありません。

女性や20歳未満の人に対するAGA治療の適応はありません。自己判断での併用・増量・切り替え・個人輸入は避け、医師の診察と処方を受けてください。

本記事は一般的な医療情報であり、個別の診断や処方の代わりになるものではありません。

ザガーロとプロペシアは、AGAに関係するジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑える内服薬です。似た作用を持ちますが、有効成分、阻害する酵素、承認用量、使用上の注意、体内から減るまでの時間などが異なります。

旧記事では、ザガーロについて「効果はプロペシアの約3倍」「副作用が強い」「まずはプロペシアから始めるべき」と単純化していました。しかし、酵素を阻害する強さ、DHTの低下率、試験で測定した毛髪数、個人が実感する効果は同じ意味ではありません。異なる試験の副作用率を並べるだけで、安全性の優劣も決められません。

この記事では、PMDAが公開する最新の電子添文・患者向医薬品ガイドと、日本皮膚科学会の診療ガイドラインをもとに違いを整理します。

ザガーロとプロペシアの違いを比較

比較項目 ザガーロ プロペシア
有効成分 デュタステリド フィナステリド
薬の分類 5α還元酵素1型・2型阻害薬 5α還元酵素2型阻害薬
国内で承認された対象 男性における男性型脱毛症 男性における男性型脱毛症の進行遅延
承認用量 通常0.1mgを1日1回、必要に応じて0.5mgを1日1回 通常0.2mgを1日1回、必要に応じて1mgまで
効果判定の目安 通常6か月。6か月以上使って改善がなければ中止を検討 通常6か月。6か月以上使って進行遅延がなければ中止を検討
主な共通の注意 性機能に関する症状、肝機能障害、気分の変化、乳房症状、PSA検査への影響など
女性・小児 投与しない。漏れたカプセル内容物にも触れない 女性への適応はない。妊婦・妊娠可能性のある女性・授乳中の女性は、割れたり砕けたりした錠剤を扱わない
献血できない期間 服用中と服用中止後6か月 服用中と服用中止後1か月
国内承認の後発品 あり あり

日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版では、男性AGAに対するフィナステリド内服とデュタステリド内服はいずれも推奨度Aです。一方、女性型脱毛症に対してはいずれも推奨度Dとされています。

推奨度が同じでも、同じ人に同じ効果・副作用が出るという意味ではありません。診断、これまでの治療経過、持病、併用薬、妊活の予定、費用などを医師へ伝えて選びます。

ザガーロとプロペシアは何が違う?

ザガーロの成分はデュタステリド

ザガーロはデュタステリドを有効成分とするAGA治療薬です。DHTを作る5α還元酵素の1型と2型を阻害します。

現在の電子添文では、男性成人に通常0.1mgを1日1回、必要に応じて0.5mgを1日1回投与するとされています。どちらの用量を使うかは医師が判断します。自分でカプセルを開けたり、量を増減したりしないでください。

プロペシアの成分はフィナステリド

プロペシアはフィナステリドを有効成分とするAGA治療薬です。主に5α還元酵素の2型を阻害します。

現在の電子添文では、男性成人に通常0.2mgを1日1回投与し、必要に応じて増量できるものの、1日1mgが上限です。また、増量によって効果が強まることは確認されていません。

どちらもDHTの産生を抑える薬

AGAでは、テストステロンから変換されたDHTが毛包に作用し、前頭部や頭頂部の毛の成長期を短くします。デュタステリドとフィナステリドは変換に関わる5α還元酵素を阻害し、DHTの産生を抑えます。

作用する酵素の範囲は違いますが、「1型と2型を阻害するから全員にザガーロのほうがよい」とは判断できません。薬の選択は、実際の効果と副作用を定期的に評価して決めます。

ザガーロの効果はプロペシアの何倍?

ザガーロの効果を、すべての患者でプロペシアの何倍と表すことはできません。

ザガーロの電子添文には、20~50歳の男性AGA患者917人を対象に、デュタステリド、フィナステリド1mg、プラセボを24週間比較した国際共同試験が掲載されています。頭頂部の直径2.54cmの円内における毛髪数の変化は次のとおりでした。

24週時の投与群 ベースラインからの毛髪数変化量
プラセボ -4.9本
デュタステリド0.1mg 63.0本
デュタステリド0.5mg 89.6本
フィナステリド1mg 56.5本

この試験では、デュタステリド0.1mgと0.5mgについてフィナステリド1mgに対する非劣性が確認され、デュタステリド0.5mg群では、この測定範囲・期間における毛髪数の変化量がフィナステリド1mg群より大きい結果でした。

ただし、これは特定の年齢・脱毛パターンの参加者を対象に、決められた頭頂部の範囲を24週間測定した平均値です。生え際を含む頭部全体の見た目、治療を続けた全期間、個々の満足度を「1.6倍」「3倍」と保証するデータではありません。

どちらの電子添文も、効果の評価には通常6か月が必要としています。治療前と同じ照明・角度で写真を残し、医師と経過を確認しましょう。

副作用の違い

ザガーロとプロペシアには、共通する副作用があります。症状がない人もいますが、「AGA薬は安全」「性機能以外の副作用はない」と決めつけることはできません。

確認したい症状 対応の考え方
性欲の低下、勃起しにくい、射精に関する変化、精液量の減少 自己判断で増減せず処方医へ相談
乳房の痛み、張り、しこり、乳頭からの分泌 早めに医師へ相談
強いだるさ、食欲不振、吐き気、白目や皮膚が黄色い、濃い尿 肝機能障害や黄疸の可能性があるため、速やかに医療機関へ連絡
発疹、じんましん、顔・唇・舌・喉の腫れ 呼吸しづらい場合は救急要請を検討
抑うつ気分、強い気分の落ち込み、自殺を考える 服用継続を自己判断せず、直ちに医師へ相談。切迫している場合は救急・相談窓口を利用

プロペシアの電子添文にはリビドー減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少、肝機能障害、抑うつ症状などが記載されています。また、因果関係は明らかではないものの、自殺念慮・自殺企図・自殺既遂の報告があるため、状態を観察するよう注意喚起されています。

ザガーロの電子添文には性機能不全、乳房障害、肝機能障害・黄疸、発疹、頭痛、抑うつ気分などが記載されています。CYP3A4阻害作用を持つ薬との併用で、デュタステリドの血中濃度が上がる可能性もあります。治療中の病気と使用中の薬・サプリメントを処方医へ伝えてください。

各電子添文に記載された副作用率は、対象者、用量、観察期間、試験方法が同じとは限りません。別々の数字を単純に比較して「ザガーロは何倍危険」「プロペシアなら副作用は起こらない」と判断しないでください。

服用前に確認する重要な注意点

AGA以外の脱毛症には適応がない

どちらも男性AGAを対象とした薬で、円形脱毛症、休止期脱毛、頭皮の炎症などに対する薬ではありません。急に大量に抜けた、円形に抜けた、頭皮に赤み・痛み・膿がある場合は、AGA薬を選ぶ前に皮膚科で原因を確認してください。

女性・20歳未満には使用しない

ザガーロは女性と小児への投与が禁忌で、20歳未満の安全性・有効性は確立されていません。漏れたカプセル内容物は皮膚から吸収されるため、女性や小児は触れないでください。触れた場合は、直ちに石けんと水で洗います。

プロペシアも女性へのAGA治療の適応はなく、20歳未満の安全性・有効性は確立されていません。妊婦、妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は、割れたり砕けたりした錠剤を扱わないでください。通常のコーティングされた錠剤でも、分割・粉砕はしません。

妊活中は精液所見への影響も相談する

両薬の電子添文には、精液量や精子の状態に関する情報があります。影響の程度と回復には個人差があり、不妊との因果関係を一律に判断できません。

現在妊活中、近く妊活を始める予定がある、精液検査で指摘を受けた場合は、処方医と生殖医療の担当医へ薬剤名を伝えてください。自己判断で中止・再開するのではなく、AGA治療の必要性と妊活の予定を一緒に検討します。

PSA検査を受ける医師へ服用を伝える

ザガーロとプロペシアは、前立腺がんの検査に用いられるPSA値を低下させます。PSA検査を受ける際は、薬の名前、用量、服用期間を検査担当医へ必ず伝えてください。

薬を飲んでいることを伝えず、表示されたPSA値だけで判断すると、評価へ影響する可能性があります。お薬手帳にも記録しておきましょう。

献血は中止後も一定期間できない

日本赤十字社の案内では、フィナステリド・プロペシアなどは服用中止後1か月、デュタステリド・ザガーロなどは服用中止後6か月、献血できません。

薬の種類だけでなく、病気や当日の健康状態も含めて検診医が最終判断します。献血予定がある場合は、血液センターへ薬剤名を伝えて確認してください。

ザガーロとプロペシアにジェネリックはある?

2026年8月時点では、フィナステリドとデュタステリドの国内承認後発品が複数あります。旧記事の「ザガーロの後発品はまだ発売されていない」という情報は古くなっています。

後発品を確認するときは、有効成分名だけでなく、販売名と効能・効果を確認してください。特にデュタステリドには、男性AGA向けの製品と前立腺肥大症向けの製品があります。同じ0.5mgでも、承認された目的が同じとは限りません。

AGA向けのデュタステリド後発品では、販売名に0.5mgZAと表示される製品があります。個人輸入品や院内独自薬を、国内承認の後発品と同じものとして扱わないでください。

価格は薬名だけで比較できない

AGA治療は自由診療として提供されることが多く、ザガーロ、プロペシア、後発品の料金は医療機関ごとに異なります。古い相場を固定価格として紹介することはできません。

比較するときは、1か月当たりの薬代だけでなく、次の費用と条件を確認してください。

  • 先発品か国内承認後発品か
  • 初診料・再診料
  • 血液検査などの検査料
  • オンライン診療の送料
  • まとめ買い時の支払総額
  • 解約・返品・治療変更時の扱い
  • 副作用が起きた際の診療方法と追加費用

名称がフィナステリドやデュタステリドでも、海外製品、医師が個人輸入した製品、院内製剤などは、国内承認薬と同じ扱いではありません。製品名、製造販売元、承認状況を確認しましょう。

ザガーロとプロペシアは併用できる?

どちらも5α還元酵素を阻害する同系統の薬です。電子添文に、AGA治療として2剤を併用する用法は記載されていません。効果を高めたいからと自己判断で一緒に飲むのは避けてください。

飲み残したプロペシアにザガーロを追加する、切り替え日に重ねる、交互に飲むといった方法も自己判断では行いません。薬の体内での残り方が異なるため、切り替え方法は処方医の指示に従ってください。

AGA治療薬全体の国内承認状況と未承認薬の違いは、次の記事で整理しています。

どちらを選ぶべき?

初めての治療だから必ずプロペシア、発毛を重視するなら必ずザガーロ、という一律の選び方はできません。次の項目を医師と確認します。

  • 本当に男性AGAと診断できるか
  • 薄毛の部位、進行度、これまでの治療歴
  • 性機能、肝機能、気分変化などで気になる症状
  • 持病と服用中の薬・サプリメント
  • 妊活・献血・PSA検査の予定
  • 先発品・後発品の希望と継続できる総費用
  • 6か月後にどの方法で効果を評価するか

治療開始前に同じ照明と角度で写真を残し、6か月を目安に経過を評価します。効果がない、副作用がある、費用を継続できない場合は、漫然と処方を続けず医師と治療方針を見直してください。

個人輸入・通販を避ける

ザガーロとプロペシアは処方箋医薬品です。国内の一般的な通販サイトやドラッグストアで、診察なしに購入する薬ではありません。

厚生労働省は、個人輸入される外国製品について、日本国内の法律に基づく品質・有効性・安全性の保証がないこと、副作用が起きた際に専門家でも対応が難しい場合があることを注意喚起しています。個人輸入薬による健康被害は、原則として医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。

安さや「海外正規品」という表示だけで判断せず、国内の医療機関で診察を受け、承認薬を含めて相談してください。

よくある質問

ザガーロはプロペシアより必ず発毛しますか?

必ずではありません。24週間の直接比較試験では、決められた頭頂部範囲の平均毛髪数についてデュタステリド0.5mg群がフィナステリド1mg群を上回りましたが、すべての人の見た目や満足度を保証する結果ではありません。

副作用が心配ならプロペシアのほうが安全ですか?

個人の安全性を薬名だけで決めることはできません。どちらにも性機能、肝機能、気分、乳房などに関する注意があります。持病、併用薬、これまでの症状を医師へ伝え、異変があれば早めに相談してください。

飲み忘れたら2回分を飲んでもいいですか?

2回分を一度に飲んではいけません。次の服用時刻が近い場合の扱いなどは、処方時の説明と患者向医薬品ガイドを確認してください。

食前と食後のどちらに飲みますか?

プロペシアは電子添文上、食事の有無にかかわらず投与できます。ザガーロも食事による薬物動態の変化は臨床上影響を与えるものではないとされています。実際の服用方法は処方医・薬剤師の指示に従ってください。

薬をやめたらどうなりますか?

どちらも効果の維持には継続が必要です。中止後の経過には個人差があります。副作用が疑われる場合を除き、自己判断で中止・再開せず、治療の目的と経過を医師と確認してください。

まとめ

ザガーロとプロペシアは、どちらも男性AGAに対する国内承認薬ですが、同じ薬ではありません。

  • ザガーロの成分はデュタステリドで、5α還元酵素1型・2型を阻害する
  • プロペシアの成分はフィナステリドで、5α還元酵素2型を阻害する
  • 特定の試験結果を「全員に何倍効く」と言い換えない
  • 異なる試験の副作用率だけで安全性の優劣を決めない
  • 女性・20歳未満は使用せず、妊娠中の女性は破損した薬剤へ触れない
  • 献血やPSA検査、妊活の予定を医師へ伝える
  • 併用・切り替え・個人輸入を自己判断で行わない

効果の大きさだけで選ばず、診断、注意点、継続できる費用を含めて医師と相談しましょう。

参考にした公式・公的資料

※参照日は2026年8月14日です。電子添文や患者向医薬品ガイドが改訂された場合は最新情報を優先してください。

The following two tabs change content below.

金井 伸一

毛髪診断士。「ハゲ活」編集長。25歳で頭頂部から薄くなりあっという間に若ハゲになる。20代30代のほぼ全てをAGA治療に費やす。通院したクリニックの数は10以上。AGA治療に関するお役立ち情報をお届けします。

SHARE