ザガーロの副作用は?発現率・性機能・妊活・肝機能【2026年】
2026年8月15日更新
旧記事のアイキャッチと本文にあった「効果はプロペシアの3倍」「ザガーロの方が副作用の発症率が高い」という断定を削除しました。測定した指標や試験条件が異なる数字を、すべての人の効果や安全性へ置き換えることはできません。
「服用をやめれば副作用はなくなる」という説明も撤回しました。現在の電子添文には、性機能不全が投与中止後も持続したとの報告が記載されています。症状の経過には個人差があり、中止・減量・再開は処方医と相談する必要があります。
ザガーロは男性の男性型脱毛症に承認された処方箋医薬品です。女性、小児、重度の肝機能障害がある人には使用できません。
本記事は一般的な医療情報であり、個別の診断や処方の代わりになるものではありません。
ザガーロは、デュタステリドを有効成分とするAGA治療薬です。性欲の低下、勃起不全、射精障害などの性機能に関する副作用が知られていますが、確認すべき症状はそれだけではありません。
肝機能障害・黄疸、乳房の変化、抑うつ気分、アレルギー症状、精液特性への影響、PSA検査や献血への影響も理解してから治療を始めることが重要です。
この記事では、PMDAが公開する2025年8月改訂の電子添文、患者向医薬品ガイド、再審査報告書を中心に、症状と対応を整理します。
ザガーロの副作用で最初に知っておくこと
| 確認項目 | 要点 |
|---|---|
| 主な副作用 | 性欲低下、勃起不全、射精障害などの性機能不全 |
| 重大な副作用 | 肝機能障害、黄疸。頻度は不明 |
| 中止後 | 性機能不全が投与中止後も持続したとの報告がある。必ず治まるとは断定できない |
| 妊活 | 精子数・精液量・精子運動率への影響が報告されている。自己判断で休薬期間を決めず医師へ相談 |
| 女性・小児 | 投与しない。漏れたカプセル内容物にも触れない |
| 献血 | 服用中と服用中止後6か月は献血できない |
| PSA検査 | 測定値へ影響するため、検査を行う医師へ服用を伝える |
副作用の有無や程度は個人で異なります。副作用が心配だから最初から飲まない、症状が出ても我慢して続ける、自己判断で隔日服用へ変えるといった決め方ではなく、治療の必要性とリスクを医師と確認してください。
ザガーロとはどのような薬?
ザガーロは、5α還元酵素1型・2型を阻害し、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)が作られるのを抑える薬です。DHTは男性AGAの進行に関係します。
国内で承認された効能・効果は、男性における男性型脱毛症です。円形脱毛症、休止期脱毛、頭皮の感染・炎症など、ほかの脱毛症へ使用する薬ではありません。
成人男性には通常、デュタステリド0.1mgを1日1回服用し、必要に応じて0.5mgを1日1回使用します。どちらの用量にするかは医師が判断します。カプセルを開ける、噛む、余った薬を他人へ渡す、2回分を一度に飲むことは避けてください。
日本皮膚科学会の2017年版診療ガイドラインでは、男性AGAへのデュタステリド内服は推奨度Aです。ただし、推奨度Aは副作用がないという意味ではありません。女性型脱毛症へのデュタステリド内服は推奨度Dです。
電子添文に記載された副作用
| 頻度区分 | 主な副作用 |
|---|---|
| 1%以上 | 性機能不全(性欲低下、勃起不全、射精障害) |
| 1%未満 | 発疹、頭痛、抑うつ気分、乳房障害、腹部不快感 |
| 頻度不明 | じんましん、かゆみ、血管性浮腫、めまい、味覚異常、精巣痛・精巣腫脹、主に体毛の脱落、多毛症、腹痛、下痢、倦怠感、血中CK増加など |
| 重大・頻度不明 | 肝機能障害、黄疸 |
頻度区分は、すべての使用者に同じ確率で症状が起きることを示すものではありません。頻度不明には、自発報告や海外だけで確認された事象などが含まれます。
臨床試験で報告された副作用の発現率
国際共同試験は557例中95例
20~50歳の男性AGA患者を対象とした国際共同試験では、承認用量外の0.02mg群を含むデュタステリド投与557例のうち、95例に副作用が報告されました。発現割合は17.1%です。
- 勃起不全:24例、4.3%
- リビドー減退:22例、3.9%
- 精液量減少:7例、1.3%
この17.1%を、これからザガーロを飲む人の正確な発症確率とすることはできません。0.02mg、0.1mg、0.5mgの投与群が含まれ、年齢、脱毛タイプ、観察方法なども限定された試験だからです。
国内52週間試験は120例中20例
20~50歳の男性AGA患者120例へ0.5mgを52週間投与した国内長期試験では、20例に副作用が報告され、発現割合は16.7%でした。
- 勃起不全:13例、10.8%
- リビドー減退:10例、8.3%
- 射精障害:5例、4.2%
国際共同試験と国内長期試験は、投与量、観察期間、参加条件が同一ではありません。長期試験の数字がすべての0.5mg使用者へ当てはまるわけでも、0.1mgなら副作用が起きないという意味でもありません。
使用成績調査は4,320例を解析
承認後に行われた使用成績調査では、男性AGAと診断されザガーロを初めて使用した4,320例が安全性解析の対象となりました。観察期間は投与開始から1年間です。
安全性検討事項として集計された非重篤な副作用は、性機能不全27例(0.6%)、乳房の圧痛・腫大7例(0.2%)、肝機能障害・黄疸5例(0.1%)、抑うつ気分1例(0.02%)でした。
この調査と治験では、対象者、確認方法、報告の拾い方が異なります。数字が低いことを理由に、実際の副作用リスクが治験より低いと結論づけることはできません。PMDAの再審査報告書は、調査時点で新たな安全対策が必要となる懸念は認められなかったとしていますが、副作用がないという意味ではありません。
性欲低下・勃起不全・射精障害
性機能不全には、性欲が低下する、勃起しにくい、勃起を維持しにくい、射精しにくい、精液量が減ったと感じるなど、複数の症状があります。
症状には薬以外にも、加齢、心理的ストレス、睡眠不足、糖尿病、心血管疾患、喫煙、飲酒、ほかの薬などが関係します。ザガーロを飲み始めた時期と症状が重なっても、原因を自己判断せず、開始時期、用量、症状の程度、朝立ちの変化、併用薬などを処方医へ伝えてください。
中止すれば必ず治るとはいえません
電子添文には、性機能不全が投与中止後も持続したとの報告があります。どの程度の人に、どの症状が、どれほどの期間続くかを一律には示せません。症状が出た場合は、次の受診まで放置したり、自己判断で薬を増減したりせず処方医へ相談してください。
性機能の変化を誰にも相談できず治療を続ける必要はありません。診察時に話しにくい場合は、症状をメモして渡す、オンライン診療なら事前問診へ記入するなどの方法があります。
肝機能障害・黄疸は重大な副作用
ザガーロの重大な副作用として、AST、ALT、ビリルビンの上昇などを伴う肝機能障害と黄疸が記載されています。発現頻度は不明です。
重度の肝機能障害がある人には投与できません。重度ではない肝機能障害がある人についても、薬物動態が検討されておらず、服用前に必ず医師へ伝える必要があります。
次の症状がある場合は速やかに医療機関へ連絡してください。
- 強いだるさ、疲れやすさ、力が入らない
- 吐き気、食欲不振
- 白目や皮膚が黄色くなる
- 尿の色が濃くなる
- 全身のかゆみ
旧記事は、肝臓で代謝される内服薬だから肝機能障害が起こると単純化していましたが、個別の発症機序をそのように断定することはできません。また、電子添文はすべての使用者へ一律の血液検査間隔を定めていません。服用前後の検査の必要性と頻度は、肝疾患、飲酒、併用薬、症状などを踏まえて医師が判断します。
以前の検査が正常でも、その後の異常を否定できません。検査結果だけでなく、自覚症状があれば早めに相談してください。
乳房の痛み・腫れ・しこり
1%未満の副作用として、女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感などの乳房障害が記載されています。
デュタステリドを使用した前立腺肥大症患者で男性乳がんの報告がありますが、電子添文は薬との関連性は不明としています。乳房のしこり、片側だけの腫れ、乳頭からの分泌、皮膚のへこみなどがある場合は、薬の副作用と決めつけず医療機関へ相談してください。
抑うつ気分・頭痛・アレルギー症状
抑うつ気分と頭痛は1%未満、めまいと味覚異常は頻度不明の副作用です。気分の落ち込み、意欲低下、不眠などが現れた場合は、薬との関係を自分だけで判断せず医師へ相談してください。
自分を傷つけたい、消えたいと考えるほどつらい場合は、次の診察を待たず、身近な人や医療機関、救急・相談窓口へ直ちに助けを求めてください。
発疹のほか、頻度不明でじんましん、かゆみ、血管性浮腫なども記載されています。顔、唇、舌、喉が急に腫れる、呼吸しにくい、意識が遠のく場合は救急要請を検討してください。
妊活・精子・精液への影響
妊活中の人は、旧記事の「精子への影響はない」「精液を介した胎児への影響は低い」という結論だけで服用継続を決めないでください。
電子添文に掲載された海外試験では、健康成人27例へデュタステリド0.5mgを52週間投与し、プラセボ23例と比較しています。投与52週時に、プラセボ群の変化で調整した総精子数、精液量、精子運動率の平均減少率は、それぞれ23%、26%、18%でした。
平均値は正常範囲内で、事前に設定した30%の変動には達しませんでした。一方、デュタステリド群の2例では総精子数が投与前から90%を超えて減少し、投与後24週の追跡時には軽快しています。
電子添文は、これらの変化が個々の人の受胎能へどのような臨床的意味を持つかは不明としています。平均値が正常範囲だったことを、すべての人の妊孕性へ影響しないという保証にはできません。
妊活を予定している場合の伝達事項
- 妊活を始める予定時期
- これまでの精液検査結果
- 不妊治療・生殖医療の受診状況
- 服用しているザガーロまたはデュタステリドの製品名と用量
- 性機能、射精、精液量の変化
妊活のための一律の休薬期間を、現在のザガーロ電子添文は示していません。旧記事にあった1か月または6か月前から中止するという案内は削除しました。AGA治療を中断する影響もあるため、処方医と必要に応じて生殖医療の担当医へ相談してください。
女性・妊婦・小児は使用しない
ザガーロは女性と小児への投与が禁忌です。妊娠中の女性がデュタステリドへ曝露すると、DHTの低下を介して男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆されています。
カプセルの内容物は皮膚から吸収されるため、女性と小児は漏れた薬剤へ触れないでください。触れた場合は、直ちに石けんと水で洗います。
カプセルは噛んだり開けたりせず、PTP包装のまま子どもの手が届かない場所へ保管します。余った薬を家族や知人へ渡してはいけません。
PSA検査へ影響する
デュタステリドは、前立腺がんの検査に使われるPSA値を低下させます。AGA治療で服用している場合も、健康診断、泌尿器科、人間ドックなどでPSA検査を受ける医師へ、薬の名前、用量、服用期間を必ず伝えてください。
電子添文では、前立腺肥大症患者へ0.5mgを1日1回使用した場合、投与6か月後のPSA値が約50%低下するとされています。AGA患者でもPSA値が低下すると推測されています。
測定値を自分で補正して安心するのではなく、服用前の値と服用後の変化を医師が評価できるようにします。お薬手帳にも記録しておきましょう。
献血は中止後6か月できない
日本赤十字社の案内では、デュタステリド、ザガーロ、アボルブなどは、服用中と服用中止後6か月、献血できません。献血できるかどうかは、服薬目的、健康状態なども含めて検診医が最終判断します。
妊活の休薬期間と献血基準は別です。
献血できない6か月を、そのまま妊活前の必要休薬期間として案内することはできません。献血予定は血液センター、妊活は処方医と生殖医療の担当医へ確認してください。
併用薬と肝機能を処方医へ伝える
デュタステリドは主にCYP3A4で代謝されます。電子添文は、リトナビルなどCYP3A4阻害作用を持つ薬との併用により、デュタステリドの血中濃度が上昇する可能性があるとして注意を求めています。
AGA以外の医療機関で処方された薬、市販薬、サプリメントを含め、使用中のものを処方医・薬剤師へ伝えてください。ほかの医師を受診するときも、デュタステリドを服用していることを伝えます。
飲酒が電子添文で一律に禁止されているわけではありませんが、肝疾患、検査値、ほかの薬、飲酒量によって判断は変わります。飲酒するから服用日を飛ばす、飲酒後にまとめて飲むといった自己調整は避けてください。
副作用が疑われるときの対応
- 症状を記録する
症状が始まった日、程度、服用開始日、用量、飲み忘れ、併用薬、飲酒などを記録します。 - 処方医へ連絡する
性機能、乳房、気分、発疹などの変化も我慢せず伝えます。自己判断で増量・減量・隔日服用・再開をしません。 - 重大な症状は速やかに受診する
黄疸、濃い尿、強い倦怠感、顔や喉の腫れ、呼吸困難などは次の予約を待ちません。 - 薬の情報を持参する
薬の現物、包装、お薬手帳、購入・処方内容を医療機関へ持参します。
症状が薬によるものか、別の病気によるものかは診察や検査が必要です。中止後に症状が続く場合も、自己判断で様子を見続けず医師へ相談してください。
プロペシアより副作用が多い?
ザガーロとプロペシアの別々の治験結果を並べるだけでは、個人の副作用リスクを公平に比較できません。対象者、用量、観察期間、副作用の確認方法が違うためです。
両薬の直接比較を含む試験でも、特定の期間・参加条件に限られます。「ザガーロは強いから危険」「プロペシアなら安全」と単純化せず、これまでの効果、症状、肝機能、妊活、併用薬、費用などを処方医と確認します。
旧記事のように、最初は必ずプロペシアを使い、効かなければザガーロへ変えると一律に勧めることもできません。診断と処方は医師が個別に判断します。
よくある質問
副作用は飲み始めていつ出ますか?
すべての副作用に共通する発症時期はありません。飲み始め直後だけでなく、継続中の変化も記録してください。服用開始前からあった症状も、診察時に伝えると評価しやすくなります。
0.1mgなら副作用は起こりませんか?
起こらないとはいえません。0.1mgも国内承認用量ですが、副作用がゼロになる用量ではありません。用量は効果と安全性を確認しながら医師が判断します。
副作用が怖いので隔日服用にしてもいいですか?
自己判断では変更しないでください。承認用法は1日1回です。症状がある場合は、その内容を処方医へ伝えて継続、用量変更、中止、別の治療への変更を相談します。
ED治療薬と一緒に飲めますか?
EDの原因や持病、使用する薬によって判断が異なります。ED治療薬を個人輸入して追加せず、ザガーロの処方医とEDを診療する医師の双方へ薬剤名を伝えてください。
ジェネリックなら副作用は少ないですか?
国内承認後発品は同じ有効成分を含むため、有効成分に由来する副作用への注意は必要です。先発品より副作用が少ないと一律にはいえません。販売名、製造販売元、効能・効果を確認してください。
副作用が出たら発毛効果も出ている証拠ですか?
証拠ではありません。性機能、乳房、肝機能などの副作用と、頭髪への効果は別に評価します。副作用を我慢して続ける理由にしないでください。
まとめ
- ザガーロの主な副作用は性欲低下、勃起不全、射精障害などの性機能不全
- 重大な副作用として肝機能障害・黄疸が記載されている
- 性機能不全が中止後も持続したとの報告があり、必ず治まるとは断定できない
- 治験、長期試験、使用成績調査の副作用率は条件が違い、単純比較できない
- 精子数・精液量・精子運動率への影響が報告され、個人の受胎能への意味は不明
- 妊活の休薬期間と、献血できない中止後6か月は別の基準
- 女性、小児、重度の肝機能障害がある人は使用できない
- PSA検査、妊活、献血、併用薬の予定を処方医へ伝える
- 副作用が疑われる場合は自己判断で増減せず、重大な症状は速やかに受診する
ザガーロは男性AGAへ国内承認された治療薬ですが、効果だけを見て選ぶ薬ではありません。治療前に副作用と対応方法を確認し、開始後も症状と効果を定期的に評価してください。
参考にした公式・公的資料
- PMDA:ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 医薬品情報
- PMDA:ザガーロ電子添文(2025年8月改訂)
- PMDA:ザガーロ患者向医薬品ガイド(PDF)
- PMDA:ザガーロ再審査報告書(PDF)
- 日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(PDF)
- 日本赤十字社:服薬と献血について
※参照日は2026年8月15日です。電子添文や献血基準が改訂された場合は、使用・献血時点の最新情報を優先してください。
金井 伸一
毛髪診断士。「ハゲ活」編集長。25歳で頭頂部から薄くなりあっという間に若ハゲになる。20代30代のほぼ全てをAGA治療に費やす。通院したクリニックの数は10以上。AGA治療に関するお役立ち情報をお届けします。
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