プロペシアの有効成分フィナステリドの効果と副作用【ジェネリックとの比較あり】
薄毛の人はプロペシアを飲むと良いという話は聞くけど、どんな成分が入った薬でどんな効果があるのか?実際に飲んでいても詳しく知らないという人はいるのではないでしょうか?
プロペシアは医師処方薬ですので、処方される際に医師から説明される副作用について理解し、用法用量を守って服用すれば特に問題はありません。
しかし、飲むのは自分ですから、全てを医師任せにするのではなく、どんな薬なのか理解しておいて損はありません。
基本的にはプロペシアの添付文書を読めばどんな薬かはわかりますが、わかりにくいから読むのが面倒という人のために、わかりやすく説明します。
プロペシアの成分について
プロペシアがなぜ薄毛に効果があるのか?含まれている成分について説明します。
有効成分はフィナステリド
プロペシアの有効成分はフィナステリドです。フィナステリドは元々前立腺肥大症の治療薬として開発された薬の成分でしたが、その後薄毛治療に効果があることが確認され、現在は薄毛治療薬としての知名度の方が高くなっています。
含量は0.2㎎と1㎎の2種類
プロペシアはフィナステリドの含有量が異なる2つの種類が発売されています。含有量は0.2㎎と1㎎の2タイプとなっています。
薄毛治療を目的として服用する場合、1日の上限を1mgで服用します。それ以上服用しても薄毛への効果は変わらないと言われています。
0.2mg対応は飲みはじめの最初の1ヶ月に処方されることがあります。副作用があるため、徐々に体に慣らしていくためです。
組成・性状
プロペシアの主成分はフィナステリドですが、その他に複数種類の添加物も含まれています。その添加物のことは、業界用語で組成と呼びます。そして、組成によって決まるのが性状です。性状とは、錠剤の色や味を表す用語になります。
プロペシアの組成・性状は以下のようになります。
品名 | プロペシア錠 | |
剤形・色調 | 円形・フィルムコーティング錠・うすい赤色 | |
有効成分の名称 | フィナステリド | |
含量 | 0.2mg、1mg | |
添加物 | 結晶セルロース、乳糖水和物、部分アルファー化 デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ジ オクチルソジウムスルホサクシネート、ステアリ ン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシ プロピルセルロース、酸化チタン、タルク、三二 酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ | |
外形 | 表面 | 直径:7.2mm |
側面 | 厚さ:3.5mm | |
識別コード | MSD22(0.2mg)、MSD115(1mg) |
有効成分フィナステリドとは
プロペシアの有効成分であるフィナステリドについてさらに詳しく解説します。
フィナステリドとは
フィナステリドはアメリカのメルク社が開発した成分です。男性ホルモンの働きを抑制する目的で開発されました。薄毛治療の他にも、前立腺肥大症や前立腺癌への治療で用いられています。
フィナステリドの効果
フィナステリドの効果は、毛乳頭細胞内の還元酵素である5α-リダクターゼの作用を防ぐというものです。
薄毛の原因であるAGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンのテストステロンが5α-リダクターゼによってDHT(ジヒドロテストステロン)に変化することで、薄毛の症状を引き起こします。
5α-リダクターゼの作用を妨げることでDHTの発生を阻害し、AGAの進行を遅延するというのがフィナステリドの効果です。
フィナステリドの副作用
フィナステリドの主な副作用は「リビドー(性欲)減退」「ED(勃起不全)」です。臨床試験において、1.1%に「リビドー(性欲)減退」が、0.7%に「ED(勃起不全)」があったとの報告が確認されています。
しかし、これらはあくまでも自覚症状ですので、深く考えすぎない方が良いでしょう。そもそもフィナステリドには性欲に関与する男性ホルモンへの作用はないため、気持ち的な部分が大きいと言われています。
ジェネリックの成分について
先発薬の特許期間満了後に発売されるのがジェネリック医薬品です。同じ成分、同じ効果でありながら、先発薬よりも安い価格で処方を受けることが出来ます。
日本国内では2015年4月のファイザー以降、いくつかのプロペシアジェネリックが登場しています。
日本国内で承認されているプロペシアのジェネリック
日本で承認されているプロペシアのジェネリック医薬品は、以下の5種類です。今後さらに増えることが予想されています。
ファイザー
ファイザー製薬から2015年4月6日に発売された、日本で最初のプロペシアのジェネリックです。
サワイ
沢井製薬から2016年3月17日に発売されたプロペシアのジェネリックです。
クラシエ
クラシエ薬品から2016年4月21日に発売されたプロペシアのジェネリックです。
トーワ
東和薬品から2016年9月20日に発売されたプロペシアのジェネリックです。
SN
あすか製薬から2016年12月14日に発売されたプロペシアのジェネリックです。
有効成分はプロペシアと同じフィナステリド
上記で紹介したプロペシアのジェネリック医薬品の主成分は、どれもプロペシアと同じフィナステリドです。含有量もそれぞれ0.2mg、1mgの2種類が発売されている点もプロペシアと同じです。
ジェネリック医薬品の条件の1つに、有効成分の種類と量を同じにしなければならない、というルールが存在するからです。
組成・性状比較
ジェネリック医薬品は、元になった医薬品と違う部分もあります。それが組成・性状です。添加物によって色や味を変えることは許されています。
プロペシアと各ジェネリック医薬品の組成・性状について比較します。
添加物比較
以下はプロペシアと各ジェネリック医薬品の添加物です。
プロペシアの添加物
結晶セルロース、乳糖水和物、部分アルファー化 デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ジ オクチルソジウムスルホサクシネート、ステアリ ン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシ プロピルセルロース、酸化チタン、タルク、三二 酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ
ファイザーの添加物
無水乳糖、アルファー化デンプン、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ポビドン、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、マクロゴール400、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄(1mgのみ)
サワイの添加物
カルナウバロウ、結晶セルロース、酸化チタン、三二酸化鉄、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ステアリン酸Mg、タルク、デンプングリコール酸Na、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、部分アルファー化デンプン
クラシエの添加物
結晶セルロース、乳糖水和物、軽質無水ケイ酸、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、三二酸化鉄、カルナウバロウ
トーワの添加物
乳糖水和物、クロスポビドン、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、トリアセチン、タルク、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄(0.2mgのみ)
SNの添加物
結晶セルロース、乳糖水和物、軽質無水ケイ酸、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、三二酸化鉄、カルナウバロウ
その他の組成・性状比較
その他の組成・性状を以下にまとめました。なお、錠形は全て円形・フィルムコーティング錠となっています。
プロペシア | ファイザー | サワイ | クラシエ | トーワ | SN | |
色調 | うすい赤色 | 赤橙色 | うすい赤色 | うすい赤色 | うすい赤色 | うすい赤色 |
表面直径 | 7.2mm | 7.2mm | 7.1mm | 7.2mm | 7.1mm | 7.2mm |
側面高さ | 3.5mm | 3.3mm | 3.6mm | 3.3mm | 3.4mm | 3.3mm |
海外のジェネリックについて
ここまでに紹介したジェネリック医薬品は日本国内で開発されたものであり、日本国内で承認済みです。しかし、プロペシアのジェネリック医薬品は海外でも開発されています。
ここでは海外のプロペシア事情について簡単に説明します。
日本国内では処方されない
日本のAGA外来の病院や専門クリニックでもプロペシアのジェネリックは処方していますが、それらは全て上記で紹介した国内承認されたジェネリックとなり、海外のジェネリック医薬品は処方されません。
ただし、AGA治療の専門クリニックではオリジナルの治療薬を処方しています。それによって低価格での処方が可能となっており、患者の経済的負担を軽くしています。
入手方法は個人輸入のみ
海外製のジェネリック医薬品を、国内で入手するには個人輸入をする以外に方法はありません。最近では個人輸入を代行するサービスが存在し、「プロペシアのジェネリック」と謳ってネット販売している業者が存在します。
しかし、実際には非合法に作られたプロペシアのコピー医薬品であることが多く、正規のジェネリック医薬品ではない商品がほとんどです。
非合法のコピー医薬品の成分
個人輸入代行業者から購入できる非合法のコピー医薬品は非常に低価格ですが、正規のジェネリックではないため成分や効果がプロペシアと同じかどうかはわかりません。また、どのような副作用があるかも不明です。
個人輸入代行業者の多くは外国人が経営しており、また医薬品の入手経路の不明です。まったく効果のない偽造品である可能性も高く、厚生労働省も注意喚起を行っていることから、個人輸入代行業者を利用しての購入はオススメしません。
添加物に発癌性物質が使われている物もある
非合法のプロペシアのコピー医薬品として知名度の高いインド製のフィンペシアですが、発癌性物質が含まれているとして問題になりました。
錠剤のコーティングに、欧州では発癌性があるとして使用が制限されているキノリンイエローが含まれていたのです。海外製の薬は健康面で大きなリスクがあります。
まとめ
- プロペシアの有効成分はフィナステリドであり、含有量は0.2mgと1mgの2タイプがある
- フィナステリドは5α-リダクターゼの作用を妨げ、DHTの発生を阻害することでAGAの進行を遅延する効果がある
- フィナステリドの主な副作用として「リビドー(性欲)減退」「ED(勃起不全)」があるが、あくまでも自覚症状であり、フィナステリドには性欲に関連する男性ホルモンへの作用はない
- ジェネリック医薬品の成分はプロペシアと同じフィナステリドであり、効果も同じである
- プロペシアの海外製ジェネリックと謳って個人輸入代行業者が販売している薬の多くは非合法のコピー医薬品である
- 個人輸入代行業者で販売している薬は偽造品の可能性も高く、厚生労働省も注意喚起を行っている
石水 朋哉

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