プロペシアでED(勃起不全)になる確率は1%未満!?もしなってしまった時の対処法
- 【記事監修】
金井 伸一(毛髪診断士)
AGAの悩み解消につながる情報をお届けします!
プロペシアで薄毛を治したいけど副作用が怖い、特にED(勃起不全)になってしまわないか心配という方は多いでしょう。
結論から言えば、プロペシアには性欲に関連する男性ホルモンへの作用はありません。しかし、ごく僅かながらもED(勃起不全)の副作用が報告されているのも事実です。
ここではプロペシアとEDの関係と、もしEDになってしまったときの対処法について説明します。
目次
そもそもプロペシアとはどういう薬?
プロペシアとED(勃起不全)の関係性について説明する前に、まずはプロペシアがどのような薬なのか説明します。
プロペシアで薄毛が治る仕組み
薄毛の原因であるAGA(男性型脱毛症)ですが、これはDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる原因物質がヘアサイクルを乱すことで薄毛になります。
ヘアサイクルとは髪の毛の成長から脱毛までの流れのことで、「成長期」→「退行期」→「休止期」を繰り返します。
薄毛ではない人のヘアサイクルは、「成長期」がおよそ2年~6年、「退行期」が2週間、「成長期」が3~4ヶ月あり、2年~6年で1周します。
しかし薄毛の人の場合、DHTによってこのヘアサイクルが大きく乱され、正常であれば2~6年ある「成長期」が数ヶ月~1年と大幅に短くなるのです。その結果、髪の毛は成長途中で抜け落ちてしまい、生えている髪も細く短い「軟毛」と呼ばれるものが増えてしまうというわけです。
AGAの原因であるDHTは、男性ホルモンのテストステロンが還元酵素の5α-リダクターゼと結びついて変化します。
プロペシアはこの5α-リダクターゼの作用を妨げ、DHTの発生を阻害する効果があるのです。結果的にヘアサイクルは正常に戻り、再び成長期は長くなり、髪は太く長く成長するようになるのです。
プロペシアはもともと前立腺肥大症の薬
プロペシアはもともと薄毛治療として開発された薬ではなく、前立腺肥大症の治療目的に開発された薬です。その中で薄毛治療にも効果があることがわかり、現在は薄毛治療薬としての知名度の方が高くなっています。
性欲に関与するテストステロンを減少させる作用はない
男性ホルモンは思春期以降に男性らしい肉体を作り、性欲の源となるなど、性に大きく関わります。
前述したように、プロペシアは男性ホルモンであるテストステロンがDHTに変化することを阻害する薬です。そのため、「性欲が低下する」「ED(勃起不全)になる」というイメージがあります。
しかし、プロペシアは性欲に関与するテストステロンを減少させる作用はないため、理論上はプロペシアによって「性欲減退」「ED(勃起不全)」という副作用は起こりえないのです。
プロペシアによって報告されている性機能の副作用はいずれも「自覚症状」です。必要以上に気にすることはありません。
プロペシアを飲むとED(勃起不全)になる?
プロペシアには性欲に関与するするテストステロンを減少させる作用はないため、理論上プロペシアによってED(勃起不全)になることはないと前述しましたが、ここでは臨床試験の結果について説明します。
臨床試験の結果、0.7%が勃起不全(ED)を申告
プロペシアの臨床試験は、有効成分のフィナステリド含量0.2mg(137名)と1mg(139名)の被験者と、プラセボ群(138名)によって行われました。プラセボ群というのは、有効成分の含まれていない医薬品でテストさせて、テスト結果から個人の思い込みを排除するために用意された被験者です。
臨床試験において、被験者276名中「ED(勃起機能不全)」が2例(0.7%)確認されています。なお、「リビドー(性欲)減退」は3例(1.1%)でした。
日本の成人男性は約6.2%がED
プロペシアを服用した276名中、0.7%の2例で「ED(勃起機能不全)」を申告した結果が多いか少ないのかですが、そもそも日本の成人男性の約6.2%にあたる260万人は「勃起せず、性行為も不可能」なED(勃起不全)であると言われています。
その結果を見ると、たまたま臨床試験の被験者の中にED予備軍がいただけであって、プロペシアの副作用でEDになったとは考えにくいとも言えます。
使用成績調査では勃起不全(ED)の副作用は確認されていない
臨床試験の後、念押しの意味で行われるのが医薬品の使用成績調査です。
プロペシアの使用成績調査は943名で実施されました。その結果、5件の副作用が認められ、主な症状は「リビドー(性欲)減退」が2例(0.2%)、「肝機能障害」が2例(0.2%)であったと添付文書に記載されており、EDについては明記されていません。
思い込み(プラシーボ効果)はしない
繰り返しになりますが、プロペシアには性欲に関与するするテストステロンを減少させる作用はないため、理論上プロペシアによってED(勃起不全)になることは考えられません。
EDはメンタルが原因でなることもあるといわれています。必要以上に思い込んでしまうことで本当にEDになる可能性もあります。
ED(勃起不全)の主な原因
あくまでも「自覚症状」ではありますが、プロペシアの副作用としてED(勃起不全)が確認されているのは事実です。
しかし、当然ですがED(勃起不全)になる原因はプロペシアだけではありません。ED(勃起不全)の主な原因について説明します。
心理的なストレス
EDが発生した原因としてストレスが作用している可能性があります。ストレスを抱えている状態が続くと、全身の血行の巡りが悪くなるからです。
勃起は血行不良によって上手く行えなくなることがあります。臨床試験は長い期間に渡って実施されるため、それがストレスになってedに至ったのは考えられる可能性です。
加齢
性器の能力は年齢を重ねることで衰えていきます。それが訪れる時期には個人差がありますが、プロペシアの臨床試験中に、加齢によってEDになることはあり得ることです。
プロペシアは長期間使い続けることが前提の薬であり、臨床試験は数十週間に渡って行われています。加齢による勃起不全になった可能性は無視できません。
生活習慣
生活習慣に乱れがあるとEDは発生しやすくなります。特に注意すべきなのは食生活です。糖分の摂り過ぎは糖尿病、脂質の摂り過ぎは高脂血症を引き起こします。どちらもEDの発症を促す病気です。
プロペシアの服用期間中に生活習慣が乱れているなら、EDが発症する可能性は十分にあります。
神経系の障害
男性器の勃起と大きく関係しているのは血管と神経です。神経系の障害を抱えていると、勃起不全になってしまう恐れがあります。
神経系の障害を引き起こす病はたくさんありますが、特に有名なのは前述した糖尿病です。
もし勃起不全(ED)になってしまったら
プロペシアは臨床試験や使用成績調査によって、EDの心配はほとんどないと考えられています。ですが、EDになっている場合には、プロペシアの使用を見送るのが無難です。
プロペシアの服用をやめる
プロペシアの服用中、もしくは服用前にEDで悩んでいるケースがあります。その場合にはプロペシアの服用をやめるべきです。
EDの治療は対処を誤ると、治療が遅れるどころか治らなくなってしまう可能性があります。そして、プロペシアは人間が本来飲む必要のないものです。EDの治療のためには、不要な存在を極力排除した方が良いので、プロペシアの服用をすべきではありません。
また、プロペシアを服用したことでEDの症状が現れた場合には、必ず処方を受けた医師に相談をするようにしましょう。
服用をやめても副作用は続く!?
薬の副作用は服用をやめれば収まることが一般的であり、プロペシアも例外ではありません。しかし、例外的な事例も存在します。
ポストフィナステリド症候群(PFS)とは
プロペシアの服用をやめた後も、副作用が終息しないことがあります。それは副作用の症状に関わらず、ポストフィナステリド症候群(PFS)と呼ばれているのです。
ポストフィナステリド症候群は、EDの他に性器に関する障害、疲労感と倦怠感と耳鳴り等、数えきれないほどの異常があります。この症状が問題視されているのは、収まることがないという点です。ずっと身体の不調と戦い続けなければなりません。
ポストフィナステリド症候群になる確率
ポストフィナステリド症候群は心身に大きな影響を与えますが、発症確率はそれほど高くなく、プロペシアを服用して副作用を訴えた人のうちのおよそ5%だと言われています。
プロペシアによる副作用が5%ほどなので、プロペシアの服用者の約0.25%がポストフィナステリド症候群になる可能性があるということです。
ポストフィナステリド症候群の今後の研究に注目
ポストフィナステリド症候群は、存在こそ確認されていますが不明な部分が多いのが現状だと言えます。発症する理由や治療方法など詳しいことは一切分かっていません。
ですが、ポストフィナステリド症候群の研究は、少しずつですが確実に進んでいます。プロペシアを安心して使うためにも、今後の研究成果が気になるところです。
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まとめ
- 臨床試験において、被験者276名中「ED(勃起機能不全)」が2例(0.7%)確認されている
- プロペシアは性欲に関与するテストステロンを減少させる作用はない
- 理論上はプロペシアによって「性欲減退」「ED(勃起不全)」という副作用は起こりえない
- 日本の成人男性の約6.2%にあたる260万人は「勃起せず、性行為も不可能」なED(勃起不全)
- 使用成績調査では勃起不全(ED)の副作用は確認されていない
- もし勃起不全(ED)になってしまったら、速やかに処方を受けた医師に相談する
金井 伸一
毛髪診断士。「ハゲ活」編集長。25歳で頭頂部から薄くなりあっという間に若ハゲになる。20代30代のほぼ全てをAGA治療に費やす。通院したクリニックの数は10以上。AGA治療に関するお役立ち情報をお届けします。

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