タバコがはげに良くない5つの理由と禁煙のメリット
- 【記事監修】
金井 伸一(毛髪診断士)
AGAの悩み解消につながる情報をお届けします!
タバコは人体にとって様々な害があるというのは有名ですが、ハゲる原因でもあるのです。
しかし、なぜタバコがハゲの原因となるのか?その詳しい理由まで理解している人は意外と多くありません。タバコが薄毛にとって良くない理由と禁煙のメリットについて説明します。
「値上がりもしているし、薄毛も心配。止めたいとは思うけど禁煙は難しい・・・」というあなたへ、禁煙への背中を押す手助けになれば幸いです。
タバコが髪の毛に良くない5つの理由
タバコがハゲを促すのは、複合的な効果によるものです。以下は、タバコが髪の毛に与える5つの悪い影響です。
薄毛の原因物質DHTが非喫煙者より13%増加する
現在、薄毛の原因は科学的に解明されています。ほとんどの薄毛の原因はAGA(男性型脱毛症)です。
AGAがどのようなものか簡単に説明をすると、男性ホルモンのテストステロンが還元酵素の5α-リダクターゼとの結合によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変化します。
このDHTがAGAの原因であり、髪の毛に対して成長を阻害する信号を送りヘアサイクルを乱します。
ヘアサイクルとは、「休止期」→「成長期」→「退行期」を1周するサイクルです。中でも成長期は2年~6年間あり、この期間に髪の毛は太く長く成長します。
しかし、AGAになるとこの成長期が数ヶ月~1年と大幅に短くなるのです。その結果、髪は成長しきらないまま抜け落ちてしまい、薄毛となるのです。
喫煙は、AGAの原因物質であるDHTが、非喫煙者に比べて13%増加するという結果がハーバード大学の研究により判明しました。
AGAの原因物質であるDHTが増加すれば薄毛が進行するのは当然です。
ニコチンが血管を収縮させ血流が悪くなる
タバコに含まれているニコチンには血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると、吸収した栄養の伝達効率が下がってしまうのです。
元々、栄養は生命維持のために優先して供給されます。髪の毛が生えなくとも生命には関係ないため優先度は高くないのです。
喫煙によりさらに栄養素の伝達効率が下がれば、その影響で頭皮の状態が悪化して髪の毛の成長力が弱まります。髪の毛の成長が衰えれば細くて短い髪の毛しか育たなくなり、頭皮環境の悪化は抜け毛を加速させます。
頭皮と髪の毛が健全であることは、ハゲ予防では非常に重要です。
ビタミンCが破壊されコラーゲンの生成を妨げる
タバコを吸うとビタミンCを大量に消費します。ビタミンCは体内で生成されないため、体外から摂取するしかない栄養です。
ビタミンCの不足がはげの進行と関係しているのは、コラーゲンの生成の邪魔になるからです。コラーゲンは頭皮の状態を良くすると同時に、太い髪の毛の育成にも貢献しています。どちらかが果たされないだけでも、ハゲの原因になり得るのです。
ビタミンCを失う要因であるタバコが問題視されるのは、当然だと言えます。
タバコの煙により頭皮が乾燥する
タバコが奪ってしまうのは栄養だけではありません。肌に潤いを与えている水分も消えてしまいます。頭皮の保湿成分が水準以下になってしまうと、はげが進行してしまうリスクが高まるのです。
その事実もタバコによる薄毛の大きな影響の1つと認知されています。
肝機能が低下し髪が栄養不足になる
タバコは肝臓に大きな負担を与えます。有害物質の解毒を肝臓が担当しているからです。タバコに含まれているタールやニコチンを解毒するために、肝臓はフル稼働の状態になります。その結果、肝機能が低下して、髪は栄養不足の状況に陥るのです。
肝臓は解毒機能だけでなく、摂取した栄養を体内で使うための変換・合成の機能も備えています。タバコで肝機能に余裕がなくなると、食事を通じて得た栄養が体内で使えないのです。だから、タバコによる肝機能の低下は、髪に悪影響を与えます。
禁煙による薄毛へのメリット
喫煙によってハゲが進行するリスクは、禁煙によって全て解消することができます。1つの習慣を是正するだけで、状況が大きく好転するのです。
薄毛の原因物質DHTの生成を抑える
禁煙によってDHTの生成量が減れば、AGAの発症の可能性も低下します。原因物質の抑制が実現するのだから当然です。
AGAによる薄毛は進行を食い止めるのは難しいため、予防に成功するのが最善だと言えます。
血流が良くなり毛母細胞に栄養が行き渡る
髪の毛の成長は、毛根部分の毛母細胞にまで栄養が届くことで実現します。禁煙によって邪魔する要因が取り除かれるのであれば、はげの予防に効果的なのは間違いありません。
太くて長い髪の毛として成長すれば、些細な要因で抜け落ちにくくなります。抜け毛量が減ると同時に、地肌が露出するリスクも激減するのです。
ビタミンCが破壊されずコラーゲンの生成を促す
タバコを吸わなくなれば、摂取したビタミンCを自由に使うことができます。育毛に関わるビタミンCの使い方はコラーゲンの生成です。生成されたコラーゲンは良質な頭皮を生み出し、立派な髪の毛を育て上げるのにも関わっています。
毛乳頭や毛母細胞が刺激を受けることで、太さも長さも申し分ない髪の毛が完成するのです。
頭皮に潤いを与える
タバコを吸わなくなれば、水分を奪われることもなくなります。カサカサだった頭皮に潤いを取り戻せるのです。ある程度の潤いを持っている頭皮の方が、髪の毛が育つ土台として適しています。
肝機能の低下を抑え髪の成長を促す
肝機能が解毒を担当する必要が無くなるため、栄養の変換・合成のために動けるようになります。つまり、摂取した栄養はきちんと髪の毛に消費されるようになるのです。
十分な栄養摂取が必要、という前提はあるものの、髪の成長の一助となるのは間違いないと言えます。
無理な禁煙によるストレスに要注意
髪の毛を心配して、禁煙を心がけるのは良いことです。しかし、無理な禁煙は新たな薄毛の要因を引き起こしてしまうことがあります。
ストレスも薄毛の原因
タバコが吸われる目的の1つに、ストレス解消が含まれています。しかし、禁煙によってストレス解消ができなくなると、髪の毛の成長に悪影響を与えるのです。
ストレスは自律神経を乱してしまい、常に血管が収縮された状態になってしまいます。血管が収縮してしまうと、頭皮に送られる栄養が不足してしまう恐れがあるのです。
禁煙によって改善した問題点が、再発生してしまいます。
禁煙外来等を活用し無理なく禁煙をする
禁煙によるストレスが大きくなるのは、一人で取り組もうとしているからです。誰かと一緒に禁煙に臨むことで、ストレスを緩和することができます。
それには禁煙外来のサービスが便利です。医者と二人三脚でタバコの悩みを解決できる禁煙外来は、ハゲていくことに悩む人にも愛用されています。
禁煙によるストレスを不安に思うなら、一考の価値ありです。
すでに薄毛が進行している人は禁煙と同時にAGA治療を
タバコを手放すことは髪に良いですが、それはあくまでも薄毛予防の効果としてです。
薄毛の原因のほとんどはAGA(男性型脱毛症)です。すでにAGAが進行している人の場合、禁煙は根本的な改善方法ではありません。
AGA治療とはどんな治療か?
前述したとおり、AGAの原因物質はDHTです。つまり、DHTの発生を抑制することがAGAを治療するということになります。
そこでAGA治療ではフィナステリドという薬が処方されます。日本ではプロペシアという名前で販売されています。
フィナステリドには、DHTの元となるテストステロンと、5α-リダクターゼの結合を阻害する効果があります。DHTの発生を抑えることでヘアサイクルの乱れを治し、AGAの進行を遅延するというわけです。
また、フィナステリドの他にもデュタステリドという薬もあります。日本ではザガーロの名前で販売されています。効果としてはフィナステリド同様、テストステロンと5α-リダクターゼの結合を阻害してDHTの発生を抑制します。
現状、効果が認められているAGAの治療方法はフィナステリド、またはデュタステリドの服用のみです。
ただし、フィナステリドとデュタステリドはあくまでも「AGAの進行遅延」を目的とした薬です。現状維持は期待できますが、発毛までは期待できません。
そこで、AGAが進行していて髪の毛を増やしたいといった場合に処方されるのがミノキシジルです。ミノキシジルには血管拡張の作用があり、髪の成長に必要な栄養素を毛乳頭までしっかり供給し、発毛を促すのです。
AGAが原因の薄毛であれば、フィナステリド、またはデュタステリド+ミノキシジルを服用することで、100%に近い確率で改善することが可能です。
禁煙で治療費は補える
AGA治療は多少の費用がかかります。フィナステリドの服用で1ヶ月6,000円~7,000円、ミノキシジルとの併用で1ヶ月20,000円前後が相場です。
1日1箱タバコを吸う人であれば、1箱450円×30日で1ヶ月13,500円です。フィナステリドだけの服用であれば、禁煙をすればおつりが来ます。
禁煙すれば家族にも喜ばれますし、フサフサで若々しい姿になれば奥さんも子供も喜んでくれるでしょう。
ちなみに私の場合、AGAがかなり進行していたため、最初の2年間はミノキシジルも併用しました。禁煙しても小遣いでは賄えませんでしたが、禁煙を条件に不足した約5千円分の小遣いアップを妻に相談し、許可してもらいました。
今では満足できるレベルまで回復したのでフィナステリド(1ヶ月6,500円)のみ服用していますが、小遣いに余裕が出た分趣味にお金を使えるようになりました。
まとめ
喫煙により薄毛の原因物質DHTが非喫煙者より13%増加する
喫煙によりニコチンが血管を収縮させ血流が悪くなる
喫煙によりビタミンCが破壊されコラーゲンの生成を妨げる
タバコの煙により頭皮が乾燥する
喫煙により肝機能が低下し髪が栄養不足になる
ストレスも薄毛の原因となるため、禁煙外来などで無理なく禁煙する
AGAは治療薬を服用することで100%に近い確率で改善が出来る
AGAの治療費は禁煙すれば十分に賄える程度
金井 伸一
毛髪診断士。「ハゲ活」編集長。25歳で頭頂部から薄くなりあっという間に若ハゲになる。20代30代のほぼ全てをAGA治療に費やす。通院したクリニックの数は10以上。AGA治療に関するお役立ち情報をお届けします。

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